COLUMN

コラム

税務調査対応の基礎知識

どういう時に税務調査が必要だと判断されるのか?

国税局や税務署はどのような場合に調査が必要だと判断するのでしょうか。

国税当局では以下のように考えています。

「法人税の申告書記載の所得金額・法人税額等は、その基礎となった事実取引の確認と法人税額について、その基礎となった取引事実の確認と法人税関係法規に照らして適法かつ適正に処理されているか否かの検証のために調査が必要である。」

また最高裁は以下のように言及しています。

「質問検査権は『調査の必要があるときに行使することが認められているが、『必要があるとき』とは、客観的な必要性であることを要する。ただし、その行使の時期や程度、方法、手段については、社会通念上相当な限度にとどまる限り、これを行使する税務職員の判断に委ねられるものと考えられる。」

これらをまとめると以下の通りになります。

税務調査は納税者の過少申告の事実を把握していることを前提として開始されるわけではない。つまり仮に納税者である法人は適法・適正な申告書を提出していたとしても調査が行われる場合があるのです。こうなると法人側として気がかりなのはいつまで調査が続くのかということですね。

しかしこの期間についてもまた課税当局の判断によって決められてしまうのです。私たち納税者には「調査の必要性」を主張する権限はありません。そこで必要になってくるのはサイクルの推測と調査開始日の選定になってきます。国税局査察部の犯則調査や国税局資料調査課などの特別調査は別として、通常の場合の税務調査は数年のサイクルで周期毎に実施されるので経験からある程度は予測が可能になります。納税者はこのサイクルを見極め、かつ調査開始日を調整してもらうことできちんと税務調査に備えることが重要になってくるのです。

申告書と課税権の行使について

税務調査については国税庁の自由裁量が大きい分、国税の更生、決定等については不確定にしておくのは望ましくないという観点もあります。そこで法人税の更生、決定等の期間制限が設けられ、「期限内に提出された申告書に関しては3年経過以降は国の課税権は行使できない。」ということが決まりました。

ところで、税務調査に備えるとすれば、具体的に何をすればいいのでしょうか。どの会社でもできやっておくべきことは、顧問税理士にきちんと会計処理または処理確認を依頼し、常に税務上の問題がないようにしておくことです。ただし、いざ税務調査が来るとなった際に、顧問税理士であっても税務調査経験が豊富でない場合、十分には頼れない場合もあります。そのようなときは、税務調査対応のみを別の税理士に依頼することもできます。例えば当事務所の「税務処理の緊急医」サービスでは、顧問税理士がいらっしゃる方のご相談も承っております。確かな実績を持つ税務処理専門部隊と国税・税務署のOBも在籍しておりますので、税務調査が気になった時点でまずご相談ください。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。