COLUMN

コラム

税務調査対応の基礎知識

国税庁の目的と活動を知ろう

今回は国税庁が目標としていること、基本行動、そしてその結果を俯瞰することで、国税庁という組織についての大まかな理解をしていきましょう。

国税庁の業務目標は「適正申告の実現に努め、かつ申告が適正でないと認められる納税者には的確な調査・指導を実施することにより誤りを是正する」とあります。要するに納税者から適正な額を回収することが国税庁のコアとなる目標です。
そして国税庁はこの目標達成のために以下の基本的な行動をとっています。

①有効な資料情報の収集・分析
 ・法定資料、法定資料以外の資料情報
②的確な調査等の実施
 ・調査事務量の確保
 ・高額、悪質重点の調査
 ・簡易な接触、調査の際の指導
 ・納税者の負担軽減等
③大口悪質な納税者に対する厳正な対応
④国際化、高度情報化への的確な対応

④に関しては企業の経済活動のグローバル化や、取引等の高度情報化への対応に注力していることが伺えますね。
国際化に関しては、課税が著しく軽減ないしは完全免除された国や地域であるタックスヘイブンを利用した不正取引などについて、国際調査専門官を中心とした調査を実施しています。
また高度情報化に関しては、電子商取引専門調査チームを中心に電子商取引に関する資料情報の収集と積極的な調査を実施しています。

では上記のような基本行動の結果としての、税務調査の件数と追徴税額について最後に見ておきましょう。
例として、平成23年度の話となりますが、実地調査件数は286,000件、簡易接触件数は724,000件、追徴課税額は4,400億円でした。
ちなみに簡易接触とは文書や電話、来署以来による面接により行った接触件数を指します。
日本の法人数は約3百万社ですので、実地調査に関しては日本の法人の約10分の1が調査を受けていることになります。
また簡易接触を含めれば、日本法人の約3分の1が税務に関するなんらかの調査を受けていることになるのです。
この数字を見ればいかに自分の会社がいつ税務調査を受けてもおかしくないことが分かりますよね。

ちなみに、ここまで読んで、「でもうちは不正を働いていないから大丈夫」とお考えになった方もいるかもしれません。
しかし、正しい処理だと思っていても、実は税法上正しくなかったというケースもままあります。
それを防ぐためには、日頃から税務の専門家と共に管理をしていくことが重要。
税務調査に強い顧問税理士であれば、税務調査を意識した記帳や処理を確実に行っているものです。

もしそういった税理士がおらず、しかも税務調査の話が来ている・・・という場合は、一度当事務所にご相談ください。
「税務調査の緊急医」という、税務調査専門のサービスで事前準備から税務調査対応までサポートさせていただいております。
国税・税務署のベテランOBが在籍しているので税務調査官の目線も熟知しています。
突然に税務調査の通達が来たという場合でも、しっかり対応させていただきます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。