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コラム
今回は有価証券の譲渡による損益の計上時期について、よくある質問とその答えを紹介します。
ではまずよくある質問を具体例にしてご紹介しますね。
『A社はあらゆる商取引につき引き渡し基準を採用しています。引き渡し基準とは販売先に商品が渡った時点で初めて売上収益を計上することです。そしてA社は株式売却に際しても現物の引き渡し時に収益計上していました。しかし、このA社に対する税務調査を受けた際に、株式取引は契約時に計上しなければならないと否認されたのです。株式の取引においては引き渡し基準の適用はできないのでしょうか?』
『結論から言うと、株式をはじめとする有価証券には引き渡し基準の適用はできません。』
こちらの根拠についてご紹介します。法人税法に定められていることですので、その条文を実際に見てみましょう。
「内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額又は譲渡損失額は、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。」
つまり、基本的には有価証券はその契約が成立した時点で計上しなければならないのです。しかしこれはあくまでも原則であり、特例もあります。このことに関してもまた法律での定めがあるので実際の文を見ていきましょう。
「有価証券の譲渡損益の額は、原則として譲渡に係る契約の成立した日に計上しなければならないのであるが、令第119条の2第2項本文又は第3項(有価証券の1単位当たりの帳簿価額の算出の方法)に規定する区分に応じ、法人が当該譲渡損益の額(事業年度終了の日において未引渡しとなっている有価証券に係る譲渡損益の額を除く。)を有価証券の引渡しのあった日に計上している場合にはこれを認める」
条文に特例があることに注意が必要ですが、基本的には有価証券取引はその取引の契約が成立した日に計上するということは、ポイントとして押さえておきたいですね。
ところで、有価証券の譲渡は日々の事業運営とは別の話なので基本的に発生頻度は高くありません。しかし、一度発生すれば、当然に譲渡による利益・損失を計上する必要があります。そして、税務調査の際には、こうしたたまに発生する損益の計上漏れやミスが、問題になることがあります。
当事務所には、企業会計を知り尽くし、国税・税務署で長年税務調査を担ってきたスタッフがおります。税務調査に関してお困りのことがあれば、「税務調査の緊急医」としてサポートいたしますので、有価証券譲渡損益の発生など扱いが気になるお金の流れがあれば、ぜひご相談ください。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。