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税務処理の基礎知識

経費の考え方④売掛金などが回収不能になったとき/現金が盗難にあったとき

今回は本来得られるお金・あるはずのお金が、得られない・ないケース、貸し倒れと盗難の経費処理についてです。

◎売掛金や貸付金が回収できないときの処理

入金予定だった売掛金が取引先の倒産により回収不能に…
この場合、貸倒れとして処理することができるのでしょうか。

売掛金、貸付金、その他の債権が回収できなくなった場合、貸倒損失として経理処理することができます。
しかし、税法上の基準に基づいて処理しないと、貸倒れとは認められないので注意してください。
一般的に考えられている貸倒れよりも、税法での貸倒れは、厳しい基準での扱いになっています。

法人税法で貸倒れが認められるのは、次のような場合だけです。

①法的整理などによって債権の切り捨てが確定したとき
②債権者集会の協議決定で、合理的な基準により債務の切り捨てが決定したとき
③債務超過の状態が相当期間経過した後、債務者に対して書面により債務免除の通知をしたとき
④債権者の資産状況や支払い能力から見て、債権全額の回収ができないことが明らかになったとき
 ※一部でも回収の見込みがある場合には、貸倒れとは認められません。
⑤顧客である債権者との取引がなくなってから1年以上経過したとき

以上のように、貸倒れと認められるには厳しい条件がありますので、安易に貸倒れとせずに、まずは現状をきちんと把握するようにすることが大切ですね。

◎現金が盗難にあった場合の経理処理

商店などでレジからちょっと目を離したすきに、売上金を盗まれてしまった…
さて、こんな場合はどのように経理処理をすればよいのでしょうか。

経理処理としては、盗難にあった時点で、現金過不足や仮払金(現金盗難)としておき、決算時に雑損失とする方法や、直接雑損失とする方法のいずれでも構いません。
それよりも大事なことは、本当に盗難にあったという事実を証明できるかどうかなんですね。
レジにあった売上が盗まれたことを証明するためにも、毎日の現金出納帳の記帳が大変重要になります。
そして、盗難にあった時点で帳簿上の金額と、実際の金額の差額を明確にしなければなりません。
その差額が盗難にあった金額ということですから、現金過不足などで出金処理をしておきましょう。
なお、盗難にあった時点ですぐに警察に被害届を提出し、その控えを会社で保管しておいてくださいね。

ところで、貸し倒れにせよ盗難にせよ、不明瞭な現金の流れは税務調査の際に指摘されるポイントとなります。そのため、指摘された際にすぐに明確に説明し、不正がないことを証明するためにも、適時・的確な経理処理や盗難の被害届が重要なのです。

なお、税務調査の対応に関しては、「必要な情報で、的確に反論」できることが重要です。そうでなくては不正をしていないのに、追徴課税となることもあります。では必要な情報とは?的確な反論とは?となると、豊富な税務調査対応経験があればこそ、わかるものです。当事務所では国税・税務署OBによる税務調査の専門チームが「税務調査の緊急医」として税務調査対応を全力でサポートしています。税務調査が怖い、不安となれば、ご相談くださいね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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