COLUMN

コラム

税務処理の基礎知識

調査対象はどのように選ぶのか/調査が入りやすい業種

税務処理を担当する立場なら、税務調査の基礎は抑えておくべきです。
今回は、税務調査の対象となる会社をどのように税務署が選んでいるのか、ご紹介しましょう。

◎税務調査の対象となる会社はこうして選ばれている

税務署は、準備調査を行うことにより、実地調査の対象となる事業者を選んでいます。
この準備調査では、以下のようなことが行われます。

①申告状況の検討
期限内に申告書が提出されているか、納税されているかどうかなどを調査します。

②申告書の調査
申告書、および、それぞれに添付されている貸借対照表、損益計算書、勘定内訳書、事業概況書に計算間違いがないかどうか、税法の適用に誤りがないかどうか、異常な数値など不審な点がないかどうかを調査します。

③経営分析
勘定科目ごとに前期の決算書と比較して、増減項目をチェック。当期の業績推移や財産変動の状況を把握する比較増減分析を行います。
また、財務比率分析として、売上高総利益率や各費用項目を売上高で割った、経費率を算出して、異常な点がないかどうかを確かめます。

④税歴の検討
会社の過去の税務上の履歴を税歴といいます。この税歴がよくない会社は、実地調査の対象になる可能性が高くなります。

これらの準備調査の結果、異常が認められた場合、税務調査の中心となる実地調査に移ることになります。

◎税務調査が入りやすい業種とは

税務当局では、効率的に調査を行うため、各種のデータをもとに、今年はこの業種を重点的に調査するようにとの指示を毎年、各税務署に出しています。
この指示について、各税務署は、調査件数、調査事績などの結果を報告することになっています。
重点調査対象業種に選ばれるのは、毎年公表される脱税ワースト業種です。
次に、そのときの好況業種、話題となっている業種がターゲットになることが多いですね。
たとえば、インターネット関連業種は、その典型といえるでしょう。

その他、各税務署が独自に決めて実施する業種指導というものがあり、この場合は、所得金額の多寡や規模の大小を問わずに調査が行われます。

もちろん入りやすい業種でなくても、税務調査の対象となる可能性は十分あります。
「自分のところは大丈夫」とは思わず、しっかりと対策をしておくことが大切ですね。
もし税務調査対策に不安を感じるようでしたら、税務調査の経験豊富な税理士にご相談されてください。
税務調査の対応は、知識と経験がモノを言い、否認の回避につながります。
当事務所でも、「税務調査の緊急医」という専門のサービスをご用意しておりますので、お気軽にご連絡ください。
経験豊かな税務処理専門部隊と、国税・税務署のOBが徹底的にサポートさせていただきます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。