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コラム
会社名義の高級外車、クルーザー、別荘などが経費となるかどうかという質問はよく効きます。みなさんはどう思われますか?
これに関して、国税不服審判所から興味深い裁決が出ているので、参考にしていただければと思います。
この事例では、フェラーリとクルーザーが問題になりましたが、いずれも役員の個人的費用を会社が負担しているとして否認されました。
しかし、最終的にはフェラーリについては納税者の主張が認められ、クルーザーに関しては認められないという判断がされたのです。
最初に否認された根拠は、「同族会社の行為計算の否認」です。
簡単にいうと、同族会社の場合、税金を減らすためにいろいろなことをするだろうから、税務署がNGと判断すればNGということです。
この会社では、クルーザー、フェラーリを会社名義で購入。
購入目的は、クルーザーは「接待用、福利厚生用」、フェラーリが「社長の通勤、移動、出張用」との説明がありました。
これに対し、税務署は、
●どちらも個人的な趣味により購入しているので、減価償却費は認められない
●これらの購入費用は役員賞与である
と主張しました。
また、イタリア製の高級スポーツカーは、一般常識から見ても個人的趣味の範疇である、同族会社だからこそできる行為であるとも主張しています。
さて、双方の主張に対し、国税不服審判所は次のような判断をしました。
〈クルーザーについて〉
●従業員の福利厚生の一環として利用したことを裏づける記録がない
●いつ、誰を何のために乗船させたかの記録が残っていない、運行の事実が燃料の使用状況でしかわからない
●全従業員が公平に使用できる状況にあるとは認められない
●事業用以外に使用した場合の使用料を法人の収益に計上している事実がない
●その他
〈フェラーリについて〉
●実際に出張した際の旅費精算書などにより、事業用として使用していることが推認できる
●社長の個人的主観による外国製スポーツカーであっても、現実に事業用として使用されていることが推認できる以上、税務署の主張を採用することはできない
●フェラーリの他に外国車を3台個人所有しており、法人の減価償却資産とはしていないことから、フェラーリを法人の資産として計上していることを不相当ではないとする理由が認められない
つまり、個人的趣味を反映したものでも、法人の事業用として使用していれば、減価償却資産となるということですね。
ですから、同様な状況にある会社では、高級車などの運行記録、接待で使用した際の相手方の記録、福利厚生で従業員が使用した場合の利用者名簿などをきちんと整理・保存しておくことをお勧めします。なぜなら、もし実際に税務調査に入られることになっても、使用履歴により主張が認められれば判断を覆すことができるからです。
そして、筋道立った主張をするためには税務の専門家の助力が必要です。当事務所は、税務調査官として長年務めていた国税・税務署OBが在籍しているため、調査官の目線を熟知しております。もし税務調査の対応に不安があれば「税務調査の緊急医」サービスにて、最大限サポートさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。