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コラム
税務調査の結果、不正が発覚すると、税務調査官が不正をしたことの申述書を書くように求めてくることがあります。
申述書というのは正式な名称ではなく、法律に規定がある書類ではありません。
書式や書き方にも決まりはないのです。
この申述書、特殊な事例を除いて、迂闊に書いてはいけないものなので、ぜひ覚えておいてください。
税務調査官は、重加算税を課すための証拠が必要なので、申述書を求めることが多いのです。
納税者本人が不正を認め、押印した書類があれば、これを証拠として重加算税が課されることになります。
重加算税を課すための直接証拠が必要ということは、逆にいえば、間接証拠しかないということでもあるのです。
つまり、現状のままでは重加算税を課すだけの根拠が薄い、また、重加算税を課した結果、訴訟となった場合、納税者が勝つ可能性もあるということなのですね。
もし、税務調査官から、不正を認める申述書を書くようにいわれたら、「現状では重加算税を課すための根拠が弱く、間接証拠しかない」という意味だと思っていただいていいのです。
もちろん、明らかに不正があり本人も認めていて、重加算税もやむを得ない場合には申述書を書くこともありますが、隠蔽、仮装などの事実について争うのであれば、申述書は書いてはいけないものです。
この点は十分、理解していただきたいところです。
税務調査官に求められたからといって、安易に申述書を書くことは絶対に避けなければなりませんが、書いたほうがよい、書くべきケースもまれにあります。
ある会社で不透明なお金の流れがある状況で、税務調査が行われました。
非常に大きな額の100%否認できる項目が認められ、これを否認されると会社は倒産に追い込まれるかもしれないといった状況でした。
しかし、調査官は今後の会社のことを考慮し、その部分については否認をしないということで終わらせてくれました。
ただ、これとは別の否認があり、重加算税の対象にもなるものだったため、その部分に対してのみ、申述書を書くことになりました。
否認があっても、一件ごとにさまざまな状況、程度などがあるので、ケースバイケースといえなくもありませんが、申述書を書いたほうがいい、または書くことによる悪影響が小さいと判断できる状況下では、申述書を書くことも重要ということです。
さて、税務調査は制度の下に行われるものとはいえ、相手は人です。今回ご紹介した「申述書」の扱いでもわかるように、様々な事情を勘案して、よりよい結果になるように対応するためには、調査官に対する情報の出し方、説明・対応の仕方が非常に重要になってきます。しかしそうした機微な部分は、知識だけでなく経験も多くないと難しいものですね。
そこで税務調査があるとなればまず、調査対応経験が豊富な税理士事務所にご相談されることをおすすめします。特に調査を実施した経験が豊富な国税・税務署OBがサポートする事務所がよいでしょう。当事務所も「税務調査の緊急医」という形で、国税・税務署OBが税務調査対応をご支援しています。頼れる専門家の力をご活用くださいね。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。