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公正証書遺言を自分で準備した場合のデメリットは?費用や効力についても解説

今回は、公正証書遺言は自分で作成した場合のメリットやデメリットとともに、費用や認知症の場合の効力などについて解説していきます。

◎公正証書遺言とは?

遺言には自筆証書遺言や秘密証書遺言などいくつかの方式があります。その中でも「公正証書遺言」は、公証人が関与して作成されるため法的効力が強く、もっとも安心できる遺言形式のひとつです。

公正証書遺言を利用すると、家庭裁判所での検認手続きが不要になり、遺言の内容がスムーズに実行されやすいという特徴があります。

◎公正証書遺言を「自分で」作成できるのか?

結論から言うと、公証人が必ず関与する必要があるため、公正証書遺言を完全に自分一人で作成することはできません。ただし、遺言の原案(どの財産を誰に渡したいか)や必要書類の収集は自分で行えます。そのため「自分で準備する部分」と「公証人に依頼する部分」を区別して考えるとわかりやすいでしょう。

公正証書遺言を自分で準備するメリット

・費用を抑えやすい:弁護士や司法書士に依頼しなければ、その分の報酬が不要。

・内容を自分で把握できる:相続財産や相続人を整理しながら、希望を明確にできる。

「とりあえずシンプルな遺言を残したい」という方にとっては、メリットもあります。

◎デメリットと注意点

一方で、公正証書遺言を自分で準備する場合には次のようなリスクもあります。

・内容の不備や表現の誤り
財産の特定方法や相続人の記載にミスがあると、遺言の効力が限定される可能性があります。

・相続トラブルの火種になることも
一見正しく見えても、法定相続分や遺留分に配慮しない内容だと、のちに相続争いを招くことがあります。

・認知症の場合の効力問題
遺言は作成時に「意思能力」が必要です。認知症が進行して判断能力が不十分な場合、後から遺言の効力が争われるリスクがあります。公証人は意思能力の有無を確認しますが、ギリギリの状況だと無効になる可能性があるため注意が必要です。

◎公正証書遺言の作成費用

公正証書遺言の費用は、公証役場に支払う手数料が基本となります。金額は財産の評価額によって異なり、たとえば相続財産が1,000万円なら約2万円、5,000万円なら約3.5万円といった形で段階的に加算されます。また、証人2名の立会いが必要なため、知人に頼めない場合は証人費用が別途かかります。

◎専門家のサポートが安心

公正証書遺言は、公証人が関与するため一定の効力は確保されますが、準備をすべて自分で行うとリスクも大きいのが実情です。特に、相続人間のバランスや税務面の配慮が不十分だと、遺言の効力をめぐって争いが生じかねません。不安がある場合は、税理士や弁護士などの専門家に相談し、遺言内容を精査してもらうのがおすすめです。費用を抑えつつ、確実に意思を残す方法を一緒に検討するとよいでしょう。

さきがけ税理士法人は相続にも強い税理士事務所です。他の専門家とも連携して進めることができるのでお気軽にご相談ください。