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事業承継の流れと基礎知識

事業継承とM&Aの違いとは?M&Aのメリットとデメリット

2020年、経営者の平均年齢が初めて60歳を超えたことが明らかになりました。そのせいもあってか、近年「後継者問題」が顕著に各企業に現れ始めています。以前より「事業継承」や「M&A」といった言葉もよく見かけるようになってきたのではないでしょうか。

日本ではM&A(企業買収)と聞くと”買収”という響きの悪さや、ドラマにもなったハゲタカファンドのような悪いイメージから、敬遠されがちなことも事実です。しかしながら、M&Aそのものは悪いものでは全くありません。今回は、M&Aのイメージを払拭すべく、そもそも「事業継承」と「M&A」の違いなどの疑問や、メリット・デメリットを解説いたします。

◎「事業継承」と「M&A」の違い

結論から書くと、「M&A」は「事業継承」を行う数ある選択肢のうちの一つです。

事業継承とは、会社の事業・経営権・資産・負債のすべてを、次の経営者に譲ることを指します。特に、創業者のカラーが色濃く出る中小企業にとって「誰に継承するのか?」は重要な問題です。

一方で、M&Aとは正式には「Merger and Acquisitions」と表され、合併・買収を指す言葉です。事業や会社の経営権を渡す側は「売り手企業」とよばれ、買収する側は「買い手企業」と呼ばれます。

売り手企業は、「後継者問題を解決する」「不採算事業を手放す」など、M&Aは様々な目的で実施できます。また、買い手企業にとってもM&Aは事業拡大のための有益な手段の一つです。つまり、売り手企業と買い手企業の双方にメリットがある状態で行われるのが一般的と考えて良いでしょう。

では、事業継承のためにM&Aを行うメリット・デメリットには何があるのでしょうか?

◎事業継承のためにM&Aを行うメリットとデメリット

M&Aによる事業継承には、次のようなメリットがあります。

・親族や役員・従業員以外からも後継者を探すことができる
・売り手は事業を売却した際の創業者利益を得ることができる
・買い手は事業の拡大を見込める

M&Aでの買い手は、経営者の経験がある場合がほとんどです。経営経験のない親族や役員・従業員に任せるより、スムーズに経営の移行をすることができると考えられます。そのほかにも、財産が自社株式から現金に変わるため相続を滞りなく行えたり、場合によっては発生する税金を抑えたりすることも可能です。

一方で、「買い手が自己流の経営スタイルで運営する可能性がある」というデメリットもあります。買い手となった会社が、現在の経営者の経営理念や従業員と共に作り上げた風土などそのまま引き継ぐとは限りません。経営者としての経験があることから、自己流のやり方・カラーで経営を進めていくことも十分考えられます。また、そのような経営の変化に戸惑い、役員や従業員が去っていく事例があることは事実です。

このようなトラブルも考えられるため、M&Aを行う際は事業継承をした後の経営方針について、現在の経営者と後継者の間で考えを一致させておく必要があります。結果として事業が立ち行かなくなってしまった、なんてことにならないよう、事前にすり合わせておくことが大切です。

現在、日本では経営者の高齢化にともない、事業継承問題に悩む企業の数は急増しています。事業継承問題を解決するためには、親族や社内などの身内以外にも第三者へ会社を売り渡すM&Aは有効な手段のひとつです。

企業買収と聞くと、悪いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、第三者に会社を売り渡し、譲渡対価を得る企業買収は、長年行ってきた事業が客観的に評価されたことを意味します。自分の会社を後世に残したいと考えている場合、ぜひ早い段階から事業継承の手段としてのM&Aを検討してみるのはいかがでしょうか。

さきがけ税理士法人でも、事業承継支援を行っております。M&Aだけでなく、さまざまな選択肢をご提案できますので、ぜひ一度ご相談ください。