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コラム
収益を生む物件は個人の所有とすることもできるし、法人の所有とすることもできます。節税面から考えると、どちらがオトクなのでしょうか?
こんにちは。税理士の黒川です。
今月は知人の営業マンさんからのご紹介で、
製造業C社様にセカンドオピニオンとしてのアドバイスをしました。
【B株式会社状況概要】
業種・・・製造業
売上・・・約3億円
業績・・・黒字
従業員数・・・20名
■セカンドオピニオンの準備
C社様は創業から40年。お会いした社長さんは2代目の社長さんでした。
社歴が長い会社には、優良企業が多いです。内部留保もしっかりしています。
C社様もやはり財務基盤はしっかりしていました。
しかし、今回は会社の税金ではなく、先代社長さんの資産についての
セカンドオピニオンのご依頼でした。
先代の社長さんは、今現在、本社建物と、その本社建物が建っている土地を所有。
さらに、他に数棟の収益物件をお持ちです。
それだけ収益物件を持っていると、所得税負担がかなり重く、
また、相続税の心配もされていました。
何かいい案はないかとのことでした。
■セカンドオピニオンとしてのアドバイス
幸いにして会社は財務基盤がしっかりしていました。
ですので、個人所有の収益物件を会社に譲渡する方法をご案内しました。
会社の資金が豊富なので、会社が個人資産を買い取ることができますからね。
譲渡することにより、先代社長さんにはもう家賃が入ってきませんので所得税、
相続税の両方を節税できます。
節税額はかなり大きくなります。
まず、所得税ですが、個人の不動産所得では経費に入れられるものが少ないんですよね。
それに比べ、会社では経費の幅が広いです。
節税手段も個人に比べ、たくさんあります。
また、会社で受け取った不動産収入を、親族に給与として支給することもできます。
次に相続税ですが、収益物件が個人所有だと、含み益はバッチリ課税されます。
しかし、会社所有だと、含み益への課税はざっと半分になります。
さらにもっと有利になる場合もあります。
ということで、個人所有の収益物件を会社に譲渡することは、検討の余地十分。
この案を採用する場合、下記の3パターンがあります。
・土地も建物も両方とも会社に譲渡する
・土地だけ会社に譲渡する
・建物だけ会社に譲渡する
それぞれにメリット、デメリットがあり、さらに、税務の素人がやると必ずハマる落とし穴もあります。
また、譲渡する場合、先代社長さんの譲渡所得税の負担が重くなる場合があります。
さらに、会社から受け取った譲渡代金をどうする
かも要検討です。
(紙面の都合上、詳細についての説明は省略します)
■結果
社長さんは、「税金って複雑ですね」とのこと。
そうですね。私もわかりやすく説明するのが難しかったです・・・
社長さんは、そろそろ本腰を入れて相続対策に入っていこうと思うとのこと。
「またアドバイスをお願いします」とのお言葉をいただきました。
資産に関係する部分の税務は複雑です。
簡単な言葉を使って、どれだけわかりやすい説明ができるかが大事ですね。
そして、ミスが起きると損失額が大きいので、慎重にご判断いただくことが重要です。