COLUMN

コラム

今月のセカンドオピニオン

減価償却方法を変えるだけで所得税・住民税が節税できる!

こんにちは。税理士の黒川です。
今月は地元の設備屋さんからのご紹介で
あるアパートオーナーMさんにセカンドオピニオンとしてのアドバイスをしました。

【事業概要】
業種・・・不動産貸付業(個人)
売上・・・約1,500万円 
業績・・・黒字 
従業員数・・・2名

■セカンドオピニオンの準備

Mさんは、地元の駅から徒歩5分圏内に土地をお持ちでした。
この土地ですが、そのままにしておくと相続税の課税がきついので、土地の上にアパートを建てたとのこと。

更地の上にアパートを建築するというのは、相続税節税のパターンですね。
建築資金は銀行からの借り入れも行いました。

アパートを建てたものの、毎年の所得税がかなり重いので、何とか節税できないかとのご相談です。
相続税を節税できることはわかっていても、所得税が重いのだそうです。


■セカンドオピニオンとしてのアドバイス

お話をお聞きして、節税対策として下記をご提案しました。

 ①65万円の青色申告特別控除を受ける
 ②奥様を青色事業専従者にし給料を支払う
 ③小規模企業共済に加入する
 ④減価償却方法の見直し

①~③は一般的な節税方法です。
個々ではそれほどの金額にはなりませんが、まとめてやると結構な金額になります。

④の減価償却方法の見直しは大きな効果がありそうでした。

今回のケースではアパート一棟を丸ごと「建物」として計上していました。
しかし、アパート建築時の工事明細を見て細かく作業をすると
「電気設備」、「給排水設備」などを「建物付属設備」として「建物」と分けることができます。

「建物付属設備」は耐用年数が「建物」の約半分なので、一年あたりの減価償却費が多くなります。
これだけで相当の節税になります。

また合わせて「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を提出し
減価償却の方法として定率法を選択すれば、もっと一年あたりの減価償却費を大きくすることができます。
まだまだ節税のやりようがあることをお伝えしました。

■結果

「専門家に見てもらうと色々とあるのですね」とおっしゃっていただきました。
アパート一棟程度の不動産所得の確定申告でしたら
マニュアル本を見ながら自分でできてしまう場合もあります。

しかし、あくまでマニュアル本なので、個々のケースに役立つノウハウは記載されていません。
ですので、税の専門家が見ると色んなご提案ができるものです。

アパート一棟くらいなら、税理士をつける必要がない、とお考えの資産家さんは多いです。
しかし、税理士に依頼することで毎年の所得税から相続税までベストのご提案ができます。

多少の費用はかかりますが、専門家に依頼することは無駄にはなりません。