COLUMN

コラム

今月のセカンドオピニオン

グレーな経費の取り扱いは?

こんにちは。税理士の黒川です。
今月は知人の営業マンさんからのご紹介で、サービス業I社様にセカンドオピニオンとしてのアドバイスをしました。

【会社概要】

業種・・・サービス業 売上・・・約1億円 業績・・・黒字 従業員数・・・約4名

■セカンドオピニオンの準備
弊社にお越しいただき、初対面の社長さんとご挨拶。独立して4年。だいぶお若いようです。
少し雑談をした後、10分ほどかけて直近の決算書と申告書を拝見しました。

ご自身のやりたかったことをするために独立したとのことで、他社と差別化されたサービスが好評。7割以上の会社が赤字と言われる状況で、業績は好調です。

好調とはいえ、「余分な税金を支払うのはちょっと・・・」とのこと。
「節税についてのお話かな?」と思いましたが、経費にしていいものと、してはいけないもの区別のご質問をいただきました。

今の税理士さんは、経費の判別にかなり厳しいようです。特に交際費については。

■セカンドオピニオンとしてのアドバイス
グレーな経費。これは事業をやっていると当然に出てきます。
例えば、「高校時代の友人と飲みに行った時の飲食費」一見、経費にできないようですが、考えようによっては経費として捉えられます。

そもそも、経費にできるかどうかは、「事業に関係するかどうか」で判断します。

上記の「高校時代の友人と飲みに行った時の飲食費」は普通に考えるとプライベートな支出なので経費にするのはNG。しかし、例えば、その友人が営業マンをしていて情報交換し、今度、お客様を紹介してくれることになった。というような話になったのでしたら、経費として認められる可能性があります。


もし、私が顧問税理士だったら、会社の方向性として、グレーな経費をどのように考えるかを確認します。
そして、経費にするのだったら、税務調査で指摘されるであろうリスクを説明します。その上で、上記のような飲食費だったら、その都度、事業に関係することを証明する議事録の作成をお願いします。議事録を作るのが大変でしたら、最低でも領収書に「相手の名前、人数、話した内容」程度をメモすることをご案内します。


もし税務調査が入り、税務調査官が「高校時代の友人と飲みに行った時の飲食費」を否認したとします。否認するということは、税務調査官は「その経費が事業に関係しない」と指摘しているということです。

このような場合、「事業に関係しない」ことの立証責任は会社ではなく税務署側にあります。しかし立証は難しいと思います。ですので、会社側は主張すべきことは主張すべき。認められます。

あくまでも、立証責任は税務署側にあります。
このことを知ってか知らずか、かなり保守的な経理をして損をしている会社も多い気がします。

■結果
社長は、今までは良くわからず経理をしていたそうですが、基準が分かったとのこと。
これからは、領収書などの資料にきちんとメモなどの備えをしておき、経費にするものは経費にするそうです。