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コラム
ほとんどの会社がやっていない申告書の品質保証制度。
この制度をやっている会社の申告書は、税務署からも銀行からも信頼度がアップします。
こんにちは。税理士の黒川です。今回は先月に続き、決算書の信頼性を上げるという話です。
【会社概要】
業種・・・飲食業 売上・・・約1.5億円 業績・・・黒字 従業員数・・・約20名
■税務調査官も費用対効果が重要
飲食業G社の社長は税務調査に入られて、仕込みに支障をきたすし、トラウマになったとのこと。
税務調査は二度と来て欲しくないそうです。
税理士は申告書に保証書をつけるという権利を持っています。(「書面添付制度」と言います)
この制度を利用していると、税務調査に入られる確率が減ります。
この保証書に、もし嘘や間違いがあると、税理士は懲戒等の処分を受けます。
ですので、税理士はお客様の経理をきちんとチェックする必要があります。
税理士が経理をそこまできちんと見ている会社には、「税務調査に入っても費用対効果が悪い」と税務署は思うようです。
黒川税理士事務所では、ほとんどのお客様にこの制度を利用していただいています。
黒川税理士事務所は百数十件のお客様と契約をさせていただいておりますが、平成22年中に税務調査の連絡が来たのは
1件だけでした。これは税理士業界の平均で考えると、異常に低い確率です。(年間で100社に6社程度が通常)
また、この制度を利用していると、もし、税務調査の連絡が入ってしまった場合でも、
税務調査の前に「税理士が税務署と折衝することができる」権利があります。
その場で、税理士が税務調査官の疑問にしっかり答えると、税務調査は省略になります。
上記の「税務調査の連絡がきてしまった1件のお客様」は、私が税務署に出向き折衝した結果、税務調査が省略になりました。
■銀行だって信頼性を見ている
税務署から見て信頼性が高いということは、銀行に対しても同じく信頼性が高いです。
この制度を利用していると、銀行も審査がしやすいので、利率が安くなったり、返済期間を長くできたり、融資に関する
手数料が無料になったりする場合があります。
■この制度はやらないと損です
この制度は本当に会社にとってはメリットばかりで、デメリットの無い良い制度です。
しかし、法人でこの制度を使っているのはわずか6%。もったいないことに94%の会社はこの制度を利用していません。
なぜ、こんな素晴らしい制度なのに、94%もの会社は利用していないのか。これはほとんどが税理士側の理由です。
・保証書に間違いを書いてしまうと、懲戒の可能性があるから怖い
・保証書を書くのが大変(最大8ページくらい書かなければなりません)
・税理士は税務調査が入ってくれたほうが嬉しい(お客様に税務調査立会報酬が請求できる)
過去に私がセカンドオピニオンをしてきた数十社の会社で、この制度をやっている会社は一社もありませんでした。
そして、この制度を知った社長さんが顧問税理士にこの制度を採用するよう頼んでも、「この制度は必要ない」とか、
「ウチはこの制度はやっていません」などと言われ、なかなかうまくいきません。
しかし声を大にして言います。この制度は絶対にやったほうがいい。
この制度は中小企業に大きなメリットをもたらします。また税理士としての業務品質にもプライドを持ちたいです。
私はしっかり取り組んでいきたいです。