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コラム
ほとんどの会社が使っていない有利な制度。
この制度をやっている会社の申告書は、税務署からも銀行からも信頼度がアップします。
こんにちは。税理士の黒川です。
知人の営業マンさんにご紹介いただき、飲食業G社様に伺い、セカンドオピニオンとしてのアドバイスをしてきました。
【会社概要】
業種・・・飲食業 売上・・・約1.5億円 業績・・・黒字 従業員数・・・約20名
■セカンドオピニオンの準備
会社の事務所にお伺いし、まずは10分ほど直近の決算書と申告書を拝見しました。
その後、お話をさせていただいている中で、税務調査のお話が出ました。
数年前の話ですが、社長が一番早く店に来て掃除をしていたら、店の前にスーツ姿の若い男性がいたそうです。
そして、店に入るなり、「税務署です。税務調査に入らせてください」と言ってきたそうです。
社長は初めての経験にビックリ。そのまま、レジ回りや注文伝票、出納帳などをチェックされたとのこと。
経理に関して、それほど大きなミスやモレは指摘されなかったものの、税務調査のせいで仕込み等に支障をきたしたそうです。
その時のプレッシャーは相当のものだったそうで、それ以来、税務調査がトラウマになってしまったとのこと。
■セカンドオピニオンとしてのアドバイス
マルサが行う税務調査以外は、合理的な理由があれば延期することができます。
ですので、今回のような場合は「今、税務調査を受けると仕込みに支障が出て店を開けられない」という理由を言えば
帰ってもらうことができます。
また、「税理士は申告書に保証書をつけるという権利を持っている」お話をしました。
(「書面添付制度」と言います)
この制度を利用していると、税務調査に入られる確率が減ります。
この保証書に、もし、嘘や間違いがあると、税理士は懲戒等の処分を受けます。
ですので、税理士はお客様の経理をきちんとチェックする必要があります。
税理士が経理をそこまできちんと見ている会社には、「税務調査に入っても無駄かな」と税務署は思うようです。
黒川税理士事務所では、ほとんどのお客様にこの制度を利用していただいています。
黒川税理士事務所は百数十件のお客様と契約をさせていただいておりますが、
平成22年中に税務調査の連絡が来たのは1件だけでした。
これは税理士業界の平均で考えると、異常に低い確率です。
また、この制度を利用していると、もし、税務調査の連絡が入ってしまった場合でも、税務調査の前に「税理士が税務署と折衝することができる」権利があります。
その場で、税理士が税務署の疑問にしっかり答えると、税務調査は省略になります。
上記の「税務調査の連絡がきてしまった1件のお客様」は、私が税務署に出向き折衝した結果、税務調査が省略になりました。
本当に会社にとってはメリットばかりで、デメリットの無い良い制度です。
しかし、法人でこの制度を使っているのはわずか6%。もったいないことに94%の会社はこの制度を利用していません。
なぜ、こんな素晴らしい制度なのに、94%もの会社は利用していないのか。その理由は来月号でお伝えさせていただきます。
■結果
社長さんは「そんな制度があることは知りませんでした。顧問の税理士さんに言ってみます」とのことでした。
(この話には後日談がありますので、来月号でお伝えさせていただきます)
※守秘義務の関係上、実際の企業様情報を一部変更してお伝えしております。