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税務調査への対応策

これは大丈夫?これはNG?節税と否認リスクについて⑦海外視察費

業種や会社の経営規模などによっては、海外出張なども多いことでしょう。
しかし、海外出張や海外視察の費用は、税務調査で必ずといっていいほど、チェックされる項目ですから、経費に関してしっかり把握しておきたいものですね。
そこで、海外視察の経費がどのように取り扱われているかについて、観光以外の項目を含め、具体的な通達があるのでご紹介します。

◎通達と海外視察や海外出張費の経費扱いの可否

〈基本通達その1~海外渡航の考え方〉
海外渡航に関して支払う旅費(日当、宿泊代などを含む)は、業務上必要なものであり、かつ、適正な金額は旅費として経費で可。
ただし、業務上必要ではない旅費の額、業務上必要である旅費のうち、適正額を超える部分の金額は、原則として給与となる。
旅行期間のほぼ全期間を通じ、明らかに法人の業務上必要な場合は、旅費は不当に多額でない限り、その全額を旅費として処理して構わない。

つまり、日程の合間の休日に観光をしたとしても、おおむね全期間が業務であれば、「業務上必要ではない旅費」のうち「適正額を超えない額」については、全額が旅費として扱うことが認められたということですね。

〈基本通達その2~業務に必要な海外渡航かどうかの判定〉
旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間などを総合的に考えて判定する。
ただし、次の旅行は原則として業務に必要な海外渡航に該当しない。
●観光渡航の許可を得て行う旅行
●旅行あっせんを行う者などが行う団体旅行に応募してする旅行
●同業者団体などが主催する団体旅行で、主として観光目的のもの

〈基本通達その3~同伴者の旅費〉
親族や社外の人を同伴した場合、同伴者に係る旅費は役員は給与として処理するが、次の場合は旅費として処理してOK
●身体障害者であるため補佐人を同伴する場合
●国際会議への出席などのため配偶者を同伴する必要がある場合
●通訳、専門知識の高い人が必要だが、社内に適任者がいない場合

〈基本通達その4~業務に必要な旅行と不必要な旅行を併せて行った場合〉
●業務に必要な旅行の期間と認められない旅行の期間との比により按分し、業務ではない額は給与となる。
ただし、海外渡航の直接的な動機が特定の取引先との商談、契約の締結などの業務の遂行のためである場合は、併せて観光したとしても、その往復の旅費は旅費として処理してよいものとする。

以上に従って、旅費を計算し、正当性を証明するために「行程表」を残しておくことを忘れないようにしましょう。
税務調査で否認されてしまうと、これにかかった費用は法人側では経費にならず、個人側では源泉所得税がとられることになります。
大きな金額になることもあるので、十分ご注意くださいね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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