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税務調査対応の基礎知識

突然の企業の譲り受けの話に混乱しないためのTIPS。非適格合併のイロハを知る

会社経営において、社長は事業を引っ張って展開していくものですが、時に事業から身を引く社長もいます。
身を引く社長はどうやって身を引いているのでしょうか。
今回はある社長がある法人に事業を譲渡するストーリーについて紹介し、合わせて事業の譲り受けのひとつの形である「非適格合併」を紹介していきますね。

◆とある事例

プロフィール
A社 ・業種ー製造業 ・資本金1億円
B社 ・業種―製造業 ・資本金3千500万

A社はある日、A社製品の部品製造を受注して、親交もあるB社社長に以下のようなお願いをされました。
「会社を引き取ってくれないか?」
B社として突然のことでビックリしました。
しかし事情としては、後継者もいなくそろそろ自身も経営から身を引く年齢になったことを悟ったらしいのです。
そこでまずB社社長の要請によりB社の資産負債の内容を、法人税の申告書と決算書、会計帳簿を元にA社の経理担当者に確認してもらいました。
この確認結果とA社はB社がA社の部品を製造している状況も踏まえてて、検討に検討を重ねた結果A社はB社を買収することに決めました。

◆非適格合併等とは

これはちょっとしたショートストーリーですが、このような事態は中小企業であればいつ起こるとも分からないことです。
実際にドキッとされた方も多いかもしれません。
ではこのような「ある会社が別の会社からその事業に関わる資産と負債のすべてを現況のままで引き受ける」合併は、定義上何に当たるのでしょうか。
特に以下のような条件に合致する場合には、非適格合併として扱われます。
 ①適格合併ではない合併
 ②適格分割に該当しない分割
 ③適格現物出資に該当しない現物出資
 ④事業の譲受けにより移転法人の直前において、営む事業および当該事業にかかわる主要な資産または負債のだいたい全部が受け取る法人に移転する

なお適格合併の定義と要件についてはここで紹介するのは長くなりすぎて不可能なのでここでは割愛します。
さてこの非適格合併を行う際には何に気を付けるべきなのか。このことについては気になる方も多いと思われますが、別途そのことについて紹介しますね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。