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事業承継の流れと基礎知識

経営者の方は抑えておきたい"事業承継税制"の基礎知識

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日本の企業の割合は約7割が中小企業によって構成されています。そんな中小企業の経営承継を円滑にする目的で平成21年に施行が開始された事業承継税制。

これまでは必要要件が厳しく設定されており、あまり日の目を見ることがなかった制度ですが、平成30年度に税制改正が行われました。

いつ、どんな理由で会社を継ぐことになるかは誰にもわかりません。もしもの時に備えて、事業承継税制について基礎を抑えておきましょう。

事業承継税制の概要

事業承継税制とは、中小企業の株式をその企業の後継者に相続や贈与で引き継いだときに、本来払うべき相続税や贈与税が最終的に免除される制度です。

注意しておきたいのは「最終的に免除される」という点。
事業継承税制を用いると、現在の経営者から後継者へ相続か贈与で株式を引き継いだ場合、相続税、贈与税の納税が猶予されます。さらに、将来的にその後継者が、次の後継者に株を承継できた場合、猶予されていた税金が免除されるのです。

平成30年(2018年) に「事業承継税制の特例」が創設され、これまでの事業継承税制の内容が大幅に緩和されました。「事業承継税制の特例」の内容についてご紹介します。

まず、会社の発行する株式のうち2/3のみが対象だった従来から、発行済みの全ての株式が事業継承税制の対象となりました。つまり、事業を承継する際に相続、贈与共に税金は100%猶予されるようになったのです。

また、現在の経営者からの承継だけでなく、複数の株主からの承継も事業承継税制の対象となります。経営者のみが株を所有していることは少なく、配偶者や親族も株を所有しているケースが多いです。これらの株式の承継も、猶予の対象となるのです。

さらに、複数(3人まで)の後継者に事業を承継する場合も、猶予の対象となります。

これまでの制度では、業績が悪化するなどして株価が暴落しても、事実上の倒産以外では、猶予されている納税額が減ることはありませんでした。しかし、事業承継税制の特例では、業績悪化により株を譲渡したり、他の会社に合併、吸収されたりした場合に、猶予されていた納税額が再計算され、元の額との差額が免除されるのです。これにより、後継者のリスクが大幅に軽減されます。

また、従来の制度なら雇用者数が5年間で8割未満になった場合は、猶予されていた納税額に利息をつけて全額納付しなければいけませんでした。

一方で、事業承継税制の特例では、従業員数が減っても、一定の条件を満たせば猶予は継続されます。

「事業承継税制の特例」は、多くの場合で株式を継承する際に税金が全額猶予(免除)され、後継者のリスクも少なくなった非常に魅力的な制度なのです

事業承継税制を受ける場合はどんな流れで申請する?

事業継承税制は以下の流れで申請することができます。

1.「特例承継計画」の策定、都道府県への提出
2.贈与の実行・相続の開始
3.都道府県への認定申請
4.税務署へ納税申告

「特例承継計画」とは、会社の後継者や承継時までの経営見通し、承継後の5年間の事業計画などを記載したものです。特例承継計画書の様式などは中小企業庁のホームページからダウンロードできます。

また、これらの手続きのほかに、事業承継税制による納税の猶予を継続させるために必要な手続きが3つあります。

1つ目は、「税務署へ継続届出書」の提出です。この書類は、申告期限後5年間は毎年1回提出する必要があります。6年目以降は3年に1度提出しなければいけません。

2つ目は、都道府県へ年次報告の提出です。これは、申告期限後の5年間までは毎年1回提出する必要があります。

3つめは、実績報告です。これは、5年後に雇用5年平均8割を下回った場合のみ、提出が必要となります。

また、業承継税制の特例は、時限的な措置であるため手続きに期限が決められています。
事業承継税制の特例を受けるためには、平成30年4月~令和5年3月の5年間に、「特例承継計画」を策定して、都道府県知事に提出し、確認を受ける必要があります。そして、平成30年1月~令和9年12月の10年間に対象となる贈与や相続が発生しなければいけないのです。

事業承継税制は通常の相続や贈与と違った手続きが必要になってきます。
会社の中身を知り尽くした担当の税理士がいるのであればその人に任せるのが一番良いでしょう。

一方で、そういった担当がいない場合は、個人ですべてを行うには時間も労力も必要以上にかかってしまいます。
さきがけ税理士事務所では事業承継を支援するサービスも行っていますので、いつでもご相談にいらっしゃってください。

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