COLUMN

コラム

事業承継の流れと基礎知識

後継者を決めたら、後継者への教育と関係者への周知・理解醸成を図る

今回は、誰を後継者にするか決定した後に行うことについて紹介します。

例えば、Aさんは現在他の大手企業に勤めている息子に事業を承継させたいと考えているとします。このとき、息子に対して何か働きかける必要があるのでしょうか。また周囲に対して、配慮しなければいけないことはあるでしょうか。

それは「後継者に対する教育」と「関係者への理解を求めること」です。

①後継者への教育

まずは息子への意思を確認することが先決です。そして息子にその気があるのであれば、周囲の人から後継者に相応しいと思われるように、息子に対して教育が必要になります。後継者に選んだ理由が「子供だから」ということでは結果的に周りの人たちが納得せず、従業員や取引先、顧客の離反につながりかねません。後継者の教育としては以下のようなものが考えられます。

<社内における教育>

◎社内の主要部門をローテーションして経験させること。必要な知識を得られるだけでなく、後継者が社内の人間関係を築くきっかけになります。
◎経営幹部として経営に参画させること。責任ある地位に就けることで、意思決定やリーダーシップを発揮する機会を与えることができ、自覚と責任を感じさせることができます。
◎現経営者が直接指導すること。事業承継は経営の理念を継いでもらうものなので、現経営者の考えの理解につながります。

<社外における教育>

◎他社での勤務経験を重ねること。社外において厳しく指導してもらえ、後継者が自分なりの人脈を形成するきっかけとなり、様々な経営感覚を得ることができます。
◎社外セミナーを受講すること。経営者に必要な知識全般を習得する機会となります。

②関係者への周知と理解

息子が後継者であると関係者に理解していもらい、さらには正式に後継者になった後に協力を得られるよう周知、働きかけを行っていく必要があります。
まずは家族や親族への理解を得、次に会社の役員や従業員への周知を行い、最後に社外への周知、発表を行いましょう。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。