顧問契約中のお客様は、こちらよりお掛けください。担当部署直通です。クライアント様専用お問い合わせナビダイヤル042-313-8364

事業承継の流れと基礎知識

承継に係る贈与税が納税猶予されてたが、猶予要件を満たさなくなった場合はどうなるか①贈与税・相続税共通の納税猶予の取消事由

これまで承継に係る相続税や贈与税の納税猶予について色々とご紹介してきましたが、納税猶予制度の要件を満たさなくなった場合はどうなるのでしょうか?今回は贈与税・相続税共通の納税猶予の取消事由についてご紹介します。

◎納税猶予の継続適用要件

相続税・贈与税の法定申告期限から5年間、または後継者の死亡の日のいずれか早い日までが経営承継の期間となり、「事業継続」と「全株保有」が継続適用の要件になっています。そして以前お伝えした経済産業大臣への報告および税務署への届出によって、これを満たしているかどうかの確認がなされます。ただし、先代経営者の死亡に伴い贈与税の納税猶予から相続制の納税猶予に切り替わった場合には、贈与税の申告期限から5年間の経営承継要件をクリアしていれば、さらに相続税の納税猶予の際に5年間の経営承継要件を求められることはありません。

◎贈与税・相続税共通の納税猶予の取消事由

事業承継円滑化法施行規則9条には、「事業承継」および「全株保有」を満たさないために納税猶予が取り消されるケースが定められています。
①後継者が死亡したとき ②後継者が代表者を辞退したとき(ただし代表者が身障者となった場合は要介護の認定を受けた場合は除外されます)
③認定時の雇用の8割未満となったこと ④同族株主の持株比率が50%以下になったこと
⑤後継者が同族間で筆頭株主でなくなったこと ⑥適用対象株式の全部または一部を議決権制限株式にしたこと
⑦適用対象株式の全部または一部を譲渡・贈与したこと ⑧後継者以外の者がいわゆる拒否権付株式(黄金株)を保有すること
⑨会社が解散または解散したとみなされたこと ⑩会社が上場会社等または風俗営業会社に該当したこと
⑪会社が資産保有型会社・資産運用型会社に該当したこと ⑫会社の総収入金額がゼロになったこと
⑬会社の特定特別子会社が風俗営業会社に該当したこと ⑭5年間の報告を怠りまたは虚偽の報告をしたころ
⑮偽りその他不正の手段により認定を受けたこと ⑯資本金の額または準備金の額の減少を行ったこと
⑰組織変更があった場合で、金銭その他の資産の交付を受けたこと ⑱自ら認定取消しの申請を行う場合
⑲会社が適格交換を除き、株式交換により他の会社の完全子会社となったこと
⑳会社が適格合併を除き、合併により消滅した場合、認定は原則として当然にしの効力を失います。ただし吸収合併存続会社等が、一定の要件に該当することについて経済産業大臣の認定を受けたときは、当該吸収合併存続会社等が会社の地位を承継したものとみなされます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

0120-964-316