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事業承継の流れと基礎知識

親族内承継・親族外承継・M&Aに次ぐ第4の事業承継方法「信託」

今回は「第4の事業承継方法」といわれる「信託」についてご紹介します。

①信託とは

信託による事業承継は、これまでの親族内承継、親族外承継、M&Aという3つの方法とは別の「第4の方法」と言われています。これは「委託者」が自己の財産を信頼できる人「受託者」(信託銀行など)に譲渡し、自分の指定した第三者の利益のために管理または処分することで、契約または遺言によって設定されます。
<信託のメリット>
・事業承継の確実性、円滑性
・後継者の地位の安定性
・議決権の分散化の防止
・財産管理の安定性   等

3つの信託の手法

◎遺言代用信託
現経営者が委託者となって、その生前に所有している自社株式を対象に信託を設定し、信託契約の中で自らを当初受益者とし、自分が死亡した時に後継者が受益者として権利を取得する旨を定めるものです。あわせて、経営者が信託設定以後に受益者の変更権を有しない旨を定めておきます。
このスキームは、経営者がその生存中は引き続き経営権を維持しつつ、あらかじめ自分の死亡時に後継者が受益権を取得する旨を定めることによって、後継者が確実に経営権を取得できるようにするものです。


◎他益信託
現経営者が委託者となってその生前に自社株式を対象に信託を設定し、信託契約において後継者を受益者として定めるものです。
このスキームでは、経営者が議決権行使の指図権を保持することで、引き続き経営権を維持しつつ、自社株式の財産部分のみを後継者に取得させることができます。


◎後継ぎ遺贈型受益者連続信託
経営者が自社株式を対象に委託を設定し、信託契約において後継者を受益者と定めつつ当該受益者たる後継者の死亡により、その受益権が消滅した場合には、次の後継者が新たな受益権を取得する旨も定めるものです。
このスキームは、委託者が現在の受益者のみならず、その次の受益者の指定することができます。すなわち受益者の指定を通じて後継者の更なるその次の後継者を決めることが可能となるのです。

②信託のデメリットは?

信託を活用するスキームは、受託者(信託銀行など)との契約が必要となり、受託者に対する報酬も発生することになります。また税務面や信託業法の規制についても検討する必要があります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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