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事業承継の流れと基礎知識

会社を存続させる手段としては、他企業への株式譲渡・事業譲渡・合併といったM&Aもある

今回は、他企業への株式譲渡・事業譲渡・合併といったM&Aについて紹介します。

例えば、Aさんは困ったことに親族内や会社の役員、従業員の中に後継者として適任な者がいません。同業の方がAさんの会社を引き受けてよいといってくれているのですが、どのような手続きをとればよいのでしょうか。

①M&Aの検討

他の企業に事業を継承してもらうことは、一般的に合併(Merger)と買収(Acquisition)の頭文字をとって「M&A」と言われています。近年は少子化の影響からか、特に親族内に適当な後継者が見当たらない事例が多くなってきているようです。そのため他の企業に承継させる方法がとられる例も増えつつあります。
M&Aに良い印象をもたれない方もいるかもしれませんが、うまく活用すれば親族内や役員・従業員に適当な後継者が見当たらない場合でも、これまで努力して築き上げてきた事業を廃業させずに、会社や従業員や取引先を守ることができます。

②M&Aの手段

M&Aには具体的には以下のパターンがあります。

◎株式譲渡
株式の譲渡による事業の承継は、売り手側の会社が自己の発行済み株式を買い手側に売却して経営権を引き渡すものです。売却の対価は株式を有している売り手側の経営者個人が得ることとなります。売り手側の株主が代わるだけであり、会社はそのまま存続しているので社名を変更することもありませんし、会社が取得している許認可にも影響を与えません。

◎事業譲渡
事業譲渡とは、会社の事業全部または一部を承継先に売却する方法です。この場合、売却の相手は経営者個人ではなく譲渡をする会社が受け取ることになります。会社自体は事業を譲渡した後も存続しますので、譲渡をする会社自体を消滅させるためには、別途精算等の手続を取らなくてはなりません。

◎合併
契約によって2つ以上の会社を1つの会社にすることをいいます。手続きはどうしても複雑になります。しかし売り手と買い手が同一法人となるので、統合効果を見込むことが出来ます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。