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コラム
現行会社法では、利益処分案が廃止されていますが、それによる税務上の影響はどのようなことがあるのでしょうか。
利益処分で任意積立金として積み立て、その利益処分の承認を前提として、当期の申告書の別表調査により、課税の恩恵を受けることができていました。また、税務上の積立金の取り崩しについても、利益処分案の承認を条件として、当期の申告書に反映させることができました。
しかし、会社法施行により、利益処分案が廃止されたため、利益処分方式以外の方法をとる必要が出てきたのですね。
会社法では、税務上の積立金は、「法人税等の税額計算を含む決算手続きとして」会計処理を行います。
つまり、圧縮積立金などの税務上の積立金については、積み立てと取り崩しを当期末の貸借対照表に反映させること。さらに株主資本等変動計算書に税務上の積立金の積立額と取崩額を記載することとなっています。そして株主総会で、その計算書類が承認されると、圧縮積立金の積み立てについて、当期の税務申告書で加算・減算を行うこともできます。これによって、圧縮積立金の積み立ては、損金算入要件も満たすことになるわけですね。
従来、利益処分で承認を受けた配当は、税務上は当期に繰り上げて計算におりこんできました。当期の利益処分の結果を当期の税務計算に反映させるという様式がとられていたのです。
しかし会社法では、「剰余金の配当」の場合については、税務上の計算は従来のような繰上げによる対応ではなく、翌期対応で行うのかどうかという問題が起こってきますね。この問題については、「剰余金の配当、または利益の配当の額は、同族会社の留保金課税の留保所得に係る計算で、その基準日の属する事業年度に支払われたもの」とされています。
ただし、事業年度終了後、決算が確定するまでに支給決議を行う剰余金の配当が、当期の税務計算に反映されるのは、留保所得計算の場合のみとなります。
法人税のその他の扱いでは、翌期の対応になるという点について注意が必要ですね。
期末確定配当は、所得計算上、社外流出額には含まれないので、適用初年度は利益積立金額は従来に比べて、増加することになります。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。