顧問契約中のお客様は、こちらよりお掛けください。担当部署直通です。クライアント様専用お問い合わせナビダイヤル042-313-8364

決算書の作り方・ひな形

中小企業会計指針における「税効果会計」の適用要否と会計・法人税法間の差異①

中小企業会計指針によれば、税効果会計は重要性がある場合に適用するとされています。強制ではないということですね。
会計と税務の計算が離れてしまうほど、税効果会計がより重要になっていくというわけです。税法基準ではなく、会計基準や中小企業会計指針に準じた処理をすればするほど、税効果会計を適用するべきであるといえるでしょう。

たとえば会計上は費用になりますが、税務上は損金にならないものなどがあるため、会計上の利益と法人税法上の所得が結びつかなくなります。
そこで、会計上の利益と法人税法上の所得の差を調整し、この差の法定実効税率分を「法人税等調整額」として「法人税等」に加減し、会計上の対応がとれるようにする。この手続きのことを「税効果会計」といっています。

◎会計上と税務上での差異について

法人税法では、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算」(法人税法第22条4)されますが、課税の公平性、政策的な配慮といった税務上の要請により別段の定めをおいています。

会計上と税務上で差異が生じるのは…
①会計上は収益となるが、税務上は益金とならない
②会計上は収益とならないが、税務上は益金となる
③会計上は費用となるが、税務上は損金とならない
④会計上は費用とならないが、税務上は損金になる
以上の4つの理由が考えられます。

これらの理由で生じた差異は、会計上・税務上の資産・負債の差として認識されます。
⇒会計上・税務上の資産・負債の差の例
賞与引当金を会計上で100計上(会計上の負債)。法人税法では全額否認となるので、税務上の負債は0となる(資産負債法による)

◎一時差異と永久差異の違いについて

会計上と税務上で生じた差異には、受取配当金の益金不算入や交際費などの損金不算入などのように、将来にわたってその差異が解消されないもの(=永久差異)、引当金や減価償却費の限度超過額などのように、将来その差異が解消されるもの(=一時差異)とがあります。
税効果会計の対象となるのは、一時差異です。これは税務と会計の認識時点におけるずれによって生じてきます。法人税申告書では、一時差異は加減算・留保として記載、税務上の利益積立金として記載されます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

0120-964-316