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コラム
「株主資本等変動計算書」とは、純資産のうち、主として株主に帰属する「株主資本」の各項目の変動事由を明らかにする計算書類のことをいいます。
かつては株主総会での利益処分(損失処理)の結果を受けて、利益処分計算書(損失処理計算書)が開示されていました。
しかし、近年の会計基準の新設や会社法の改正などにより、「その他有価証券評価差額金」など、純資産の部に直接計上される項目が増えていること、商法改正により自己株式の取得、処分、消却など、純資産の部の変動要因が増加していることなどから、株主の持ち分の変動に関する開示制度の導入が望まれていました。
こうした背景から、現行会社法では、新たに「株主資本等変動計算書」を作成することになっています。
また、会社法の施行で、株式会社は株主総会または取締役会の決議により、剰余金の配当がいつでもできるようになったため、貸借対照表と損益計算書だけでは、資本金・準備金・剰余金の数値の連続性を把握することが困難になる、という理由にももとづいています。
株式資本等変動計算書の表示区分は、『貸借対照表の純資産の部の表示区分と密接に対応』しているということですね。
株主資本等変動計算書では、純資産を株主資本、評価・換算差額、新株予約権、少数株主持分(連結株主資本等変動計算書においてのみ作成)の4つに分けて掲載します。そして、株主資本の期中の変動額については、変動した事由ごとに区分して表示されることになっています。株主資本以外の項目は原則として当期の変動額の純額で表示します。
このように株主資本と株主資本以外の項目について扱いが異なるのは、現在の日本の会計基準が、投資の成果を表す純利益とそれを生み出す株主資本との関係を重視しているからであるといえるでしょう。
また、「株主資本等変動計算書」の様式には、項目を「横に並べる様式」と「縦に並べる様式」の2種類があります。実務的には横に並べるほうが項目の相互関連性が把握しやすいという点で選ばれることが多いようです。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。