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コラム
平均寿命が延びたことで、人生百年の時代はもう目の前だといわれています。それに伴って近年注目されているのが「終活」。自分が死ぬことによって家族に迷惑をかけたくないとの思いから、エンディングノートや終活の指南書なども盛んに出版されるほどのブームとなっています。そこで今回は、自分の人生を締めくくる一大事業である終活において、税理士がどのようにお役に立てるのかを紹介していこうと思います。
まずは終活とはどのような行為を指すのかをおさらいしておきましょう。大きな枠組みで言えば、終活は「自分の死後周りに迷惑をかけないように身辺整理を進めておく」ことです。今まで70年、80年と生きてきた中で積み重ねてきた様々なもの(物理的・精神的を問わず)と向き合って、それまでの人生を振り返りながら整理していく事業を、終活と呼んでいます。
こう聞いて一番に頭に浮かぶのは、身の回りにある物品の整理ではないでしょうか。本人にとって思い入れのある物品だったとしても、周囲の人間にとっては何の意味のないものにしか見えない事もあります。また、着物や骨とう品など、見た目にはわからないけど実は数百万円クラスの価値があるものも保管しているかもしれません。こうした安易に捨てるべきでないものをきちんと明らかにしておくことで、残された家族が処分に困ってしまう、という事を減らすのです。
もちろん整理の対象となるのはこのような価値のあるものばかりではありません。日用品や、日常的に使用しているアクセサリーなど小物類の処分も、終活に当たっては必要なことです。まだまだこれから先もご自身の生活があることを考えればもちろん大幅な処分は難しいでしょうが、あまりにも生活用品が多いとご家族も処分に困ってしまいます。またアクセサリー類は見かけと値段が必ずしも比例するわけではないので、こちらも同様、ご家族を悩ませる種になります。こういった物品は、あらかじめ処分しボリュームを減らしておくか、ひとまとめにして処分してしまっていい旨を表明しておくと、余計な迷惑をかけることがありません。
ただ、これらは自分の身の回りの物という事もあり、時間さえかければ比較的簡単に進めていけると思います。一方で問題になるのは、お金のことです。
終活とお金、というと、多くの方は「自分が死んでもめるほどの金はない」などとおっしゃいますが、実はそんなことはありません。数百万円の遺産であっても、十分に争いの種になるのです。例えばマイホームを所有していたり、小さな土地を持っていたりすると大変です。兄弟のうちどちらかが家を相続、もう一方は現金を相続、という事になった場合、どうしても家と数百万の現金では不平等になってしまいます。これを避けるためには、「現在の現金資産の状況をきちんと明確にする」「現金以外の資産についても明らかにする」「相続人が複数いる場合、それぞれの取り分を明確にするために遺言状を作成する」といったことが必要です。何事も先を見据えた準備が欠かせないということですね。
ただこれらの準備、特に資産の確定というのは複数の金融・公共機関がかかわっているため、作業ボリュームが膨大です。大変骨の折れる作業なので、年配の方には荷が重いでしょう。となるとそのご子息という事になりますが、こちらもお仕事をされていたりすると、調査のためのまとまった時間は取れそうにもありません。そんなときに役に立つのが、税理士です。税理士ならばこれらの資産の確定や、それが相続されたときにかかる税金の計算なども一括して行うことができます。
相続に関連してよくご相談いただくのが、相続税を支払うことが出来ないため、せっかく継いだ家を売って現金化せざるを得なかった、というケース。これもあらかじめ「どのくらい税金がかかるのか」や、その税金を可能な限り圧縮する方法を知らないから起きてしまう事です。きちんと対策を打って税金を減らし、必要な現金を残しておくことが出来ればこのような悲劇は十分に防げます。
孫の代までを考えて作った家が売り飛ばされてしまった、遺産の配分で親族間の対立が起こった。このようなことにならないよう、終活をお考えの際には税理士にもご相談ください。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。