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コラム
みなさん、「固定資産の交換特例」というものを知っていますか。
税法上の「固定資産の交換特例」を使用した場合、交換差金を収受しなければ、その交換については譲渡が「なかったもの」とみなされて、譲渡税(所得税・住民税)または法人税の課税はありません。
税法上は、交換も譲渡の一形態と考えられます。この場合、交換により取得した資産の時価をその交換(譲渡)の収入金額として譲渡損益の計算を行います。
以下の要件を満たす交換であれば、個人なら譲渡はなかったものとみなして課税は繰り延べられ、法人なら譲渡益と同額の圧縮損を計上することにより課税を繰り延べることができます。
A…互いに1年以上所有していた固定資産を交換したこと
B…交換譲渡資産と交換取得資産は次の同一区分の資産であること
・土地(借地権・農地耕作権を含む)
・建物(建物付属設備・構築物を含む)
・機械および装置
・船舶
・鉱業権(租鉱権、採石権等の権利を含む)
C…交換取得資産は交換譲渡資産の譲渡直前の用途と同一の用途に供すること
D…交換時における時価の差額が、いずれか高い方の20%以内であること
ただし、交換差金を収受した場合には、その金額分だけの譲渡があったものとみなして課税されることとなります。
上記の②の要件について、交換譲渡資産と交換取得資産のの時価の算定がポイントとなりますが、利害関係のない第三者間で等価として交換した場合等では、例え客観的な時価に開きがあってもその時価は等しいものと感がることができます。
上記の②のCにいう「同一の用途に供する」とは、それぞれの固定資産について、下記にあげる同一の区分となることをいっています。つまり交換譲渡した土地が「宅地」であれば、交換取得した土地も「宅地」として使用することによって、同一の用途に供したこととなるということです。なお、この要件はこの特例を受けようとする側のみの要件であり、たとえ交換の相手方が交換直後にその資産を売却した場合等でも、それをもって当方がこの特例の適用外とされることはありません。
◎区分
土地…宅地、田畑、鉱泉地、池沼、森林、牧場または原野、その他
建物…住居用、店舗または事務所用、工場用、倉庫用、その他
機械装置…耐用年数省令別表第二に掲げる設備の種類の区分
船舶…漁船、運送船、作業船、その他
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。