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相続対策・相続税務の基礎知識

生命保険金や死亡退職金による節税効果とは

今回は、生命保険や死亡退職金による節税効果についてご紹介します。

例えば、Aさんは同族会社を経営しており、そろそろ相続税のことも考えておきたいと思っています。Aさんは生命保険や死亡退職金が相続税対策に効果があると聞いたのですが、具体的にはどのようなものでしょうか。
実はこの場合、相続税の節税効果と納税資金対策、さらには遺産分割対策にもなります。

①生命保険の課税

本人が生命保険を負担した生命保険金は「みなし租遺族財産」として相続税の対象になりますが、この生命保険については「500万円×法定相続人の数」の金額が非課税になります。例えば生命保険が5000万円、法定相続人が4人であれば、2000万円(500万円×4人)が非課税になりますから、現金で5000万円受け取っても課税されるのはそのうち3000万円についてのみということになります。
相続税は超過累進税率で、仮にその適用税率(一番上積み部分の税率)が40%として、5000万円の預金と5000万円の保険金とを比べると、非課税となった2000万円部分についての税額である800万円(2000万円×40%)だけ、生命保険の方が有利になります。
極端にいえば、5000万円の預金で保険料を支払い、5000万円の死亡保険を受け取れば、それだけで800万円の節税になるということです。

②死亡退職金の課税

死亡退職金も生命保険金と同様に、「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、この死亡退職金についても、「500万円×法定相続人の数」の金額が非課税になります。さらに遺族に支払われる弔慰金については次の金額が非課税とされています。
◇被相続人の死亡が業務上のものである場合
 (被相続人の死亡時の月額普通給与の額)×36カ月分
◇被相続人の死亡が業務上のものでない場合
 (被相続人の死亡時の月額普通給与の額)×6カ月分
またこの死亡退職金については、相続財産である同族会社の株式の評価額の計算上、会社の債務として計上しますので、場合によっては株式の評価額の引下げにもなります。

③納税資金

生命保険金も死亡退職金も、現金で支払いを受けることができるにも関わらず、相続税の計算上は非課税とされる部分が多くなります。これらの金額を相続税の納税に充てることも考えられます。

④代償分割

相続財産が不動産や同族会社の株式などで、複数の相続人には分配しにくい場合には、代償分割によって遺産分配を整えることが多くなります。例えば自宅や同族会社の株式は承継者である長男が相続し、次男は長男から代償財産として現金を受け取るというケースです。

さて、少しでも資産があれば、その相続をどうするかという問題も起きます。相続税対策として、納税資金や節税用に生命保険・死亡退職金等を準備しておけるケースもあれば、そういった対策ができずに突然の相続になるケースもあるでしょう。いずれのケースにしても、相続発生時・見込み時の資産に応じて、適切に対応することが重要。相続税額を適切にするため、むやみな悩みを増やさないためにも、税の専門家へご相談ください。当事務所にも相続ご相談専門機関「相続手続き支援センター」があります。相続税のお悩み解消にご活用ください。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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