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資金調達の基礎知識

融資の際にチェックされる決算書のポイント⑥ 損益計算書による分析指標

融資の際、チェックされる決算書のポイントのうち、損益計算書から算出する分析指標についても、把握しておきましょう。

◎売上、利益

企業の成長性を見るために、決算書の損益計算書を3期分並べて、売上、利益が過去3年間で増えているか、減っているかを確認します。増収増益であることが理想ですが、売上が減っても利益は増えている(減収増益)のであれば、効率的な経営体質になったと判断されます。たとえば、不採算部門を削ったことにより、全体的な売上は下がってしまったが、その効果で赤字部門がなくなり、利益が増えたというようなケースですね。

一方、増収減益のように、売上が増えても利益が減っている場合は、経費の無駄遣いや販売・仕入などの取引条件の悪化など、経営に問題が発生していることが考えられます。つまり、銀行では、単純に売上や利益が増えたり減ったりしている点を見るだけではなく、その内容を経営者から聞き取り、実態を把握した上で判断しているということです。

◎営業利益、経常利益、当期純利益

金融機関では、損益計算書に出てくる利益の中でも、本業の利益にあたる営業利益と、企業の総合力を示す経常利益の2つを重視しています。

営業利益が出ていない場合、事業を続ければ続けるほど赤字が増える状況であると判断します。本業の利益である営業利益を出せていない会社には、融資はできないということなのです。また、経常利益は営業利益に営業外収益をプラスし、営業外費用をマイナスしたものですが、

多くの場合、営業外費用の大部分は銀行から借入している融資の利息です。つまり、経常利益がプラスでない場合、利息が払えない状況にあるということになります。経常利益の出ていない企業に対しても、融資は難しいといわざるをえません。

最後の当期純利益は、上記の2つに比べると重要度は低くなります。会社の状態を正しく判断するには参考になりにくいケースも多いので、さほど重要視されないということです。

◎キャッシュフロー

キャッシュフローとは、簡易に計算する場合は、一般的に、経常利益から法人税などを差し引いた金額に、減価償却費をプラスして算出します。キャッシュフローは、返済財源となるので、銀行が融資の審査をする際、その企業が返済をきちんと行えるかどうかを判断する上で、大変重要なポイントとなります。キャッシュフローが、年間の返済額を上回っていれば、その企業はキャッシュフローから十分返済できると判断されます。

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