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コラム

資金調達の基礎知識

融資以外の資金調達方法② 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

今回取り上げるのは、経営セーフティ共済です。 中小企業が取引先の倒産の影響を受けて、連鎖倒産したり経営難に陥ることを防ぐために 設けられている国の共済制度です。 この制度は、中小企業倒産防止共済法にもとづき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運 営しています。

◎経営セーフティ共済に加入するには

経営セーフティ共済に加入できるのは、1 年以上事業を行っている中小企業者で、「資本金 の額または出資総額」「常時使用する従業員数」のいずれかに該当する会社、または個人の 中小企業者です。 最新の詳しい加入条件については、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)のサイト にて確認してみてください。

◎掛金、貸付限度額

月々の掛金は、5,000 円から 20 万円までの範囲内(5,000 円単位)で自由に選ぶことがで きます。
総額が 800 万円になるまで積み立てることができ、掛金は法人であれば税法上損金に、個 人事業者の場合は必要経費に算入することができます。

貸付限度額は、掛金総額の 10 倍相当の額か、取引先の倒産により回収困難となった売掛金 負債と前渡金返還請求権の額のうち、いずれか少ない額の範囲内となります。 なお、取引期間が 1 年以上ある主要取引先(売上高の 20%以上を占める取引先)が倒産し た場合は、回収困難となった売掛金負債などの額に、一定金額が加算され、原則の上限より も多く貸付を受けられる場合もあります。

◎返済期間
返済は、6 カ月の据置期間後、均等分割による毎月払いです。 〈貸付額による返済期間〉

●5,000 万円未満→5 年
●5,000 万円以上 6,500 万円未満→6 年 ●6,500 万円以上 8,000 万円以下→7 年

◎共済金の貸付請求ができない場合とは

貸付が受けられないケースとしては以下の様な事例があります。

1取引先事業者の倒産が、加入後 6 カ月未満に生じたものであるとき 2加入から取引先事業者の倒産日までに、6 カ月以上の掛金を納付していないとき 3共済金の貸付請求が、取引先事業者の倒産日から 6 カ月を経過した後になされたもの

であるとき
4共済金の貸付請求の際、共済契約者が中小企業者ではないとき 5貸し付けることとなる共済金の額が少額で、次のいずれの額にも達しないとき

●50 万円

●共済契約者の月間の総取引額の 20%に相当する額 6共済金の貸付請求をした共済契約者に倒産または倒産に準ずる事態が生じているとき 7共済契約者がすでに貸付を受けた共済金の償還を怠っているとき

など

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