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資金調達の基礎知識

株式上場するとどうなる? 創業者目線でのメリット・デメリット

2022年11月現在、株式上場をしている企業は3,864社。この数は、日本国内に存在する企業の内の僅か0.1%未満となっています。

株式上場には、株式の市場流通が確保されることによる資金調達力や認知度の上昇などのメリットがある一方で、企業経営の自由度が低下するなどのデメリットも存在します。今回は、株式上場するための条件や、創業者目線でのメリット・デメリットについて解説します。

◎株式上場とは?

株式上場とは、株主が同族あるいは特定の少数者のみに限られている状態から、証券市場に自社株式を流通させ、一般投資家が売買できるようにすることを言います。

上場市場は全国4か所にありますが、上場企業のほとんどは東京証券取引所(通称:東証)に上場しています。東証にはかつては市場第一部・市場第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード、グロース)の市場区分がありましたが、2022年4月より、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の新たな市場区分がスタートしました。各市場区分のコンセプトに応じて、株式の流動性やコーポレート・ガバナンスなどに係る定量的・定期的な上場基準が設けられています。

◎上場するメリット

企業が上場することの一番のメリットは、社会的信用度と知名度が向上することです。厳しい上場審査を通過したことによる信用性と、限られた存在である「上場企業」というネームバリューを獲得できます。これらを得ていることで、資金調達において非上場の場合よりも有利に動けるでしょう。

また、上場準備の過程では上場会社としてふさわしい内部管理体制を構築することが求められます。その結果、管理体制が強化され、企業規模拡大にも耐えうる組織基盤が構築されます。


創業者にとっては、創業者利潤を確保できるというメリットもあります。非上場の場合は自社株を換金することは難しいですが、上場すればいつでも株式を売却可能になり、投下資本の一部を回収することができます。また、株式が証券市場で流通し、公正な株価が形成されることによって、株式の換金性が増大し、株主の財産形成が図られます。

◎上場によるデメリット

ただし、上場によって生じるデメリットも存在します。

上場準備には、少なくとも3年程度の期間が必要とされています。なぜなら、上場審査のためには「上場直前2期の会計監査」と「上場企業としてふさわしい経営管理体制での1年間の運用実績」が求められるからです。会計監査は過去にさかのぼって行うことはできませんし、多くの場合経営管理体制を構築し直すことになるため、上場準備には3年程度の期間がかかると考えられます。

また、上場準備には上場審査料、登録免許税といった費用や、上記の会計監査を依頼するために係る費用など、さまざまな費用がかかります。

そして、これらの準備を乗り越えていざ株式上場を行ってからは、株主総会などを通して一般株主の意見を取り入れた経営を行う必要が生まれます。現在行っている事業や新規に始める事業について、多くの一般株主はどれだけの利益が生まれるかを重視する傾向があります。一般株主という外部の人間の声が経営方針の決定の際に無視できなくなることは、経営の自由度とスピード間の低下につながるデメリットであると言えるでしょう。



株式上場を行うことがプラスに働くかどうかは、それぞれの会社ごとに異なってくるでしょう。昨今は上場のメリットとして必ず挙げられる「資金調達」の手段も多様化しています。さきがけグループでは財務コンサルティングや事業継承支援など、状況に合わせた様々なサポートを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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