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コラム

資金調達の基礎知識

知的資産を活用した新たな経営戦略について

近年注目されているキーワードの一つが「知的資産」です。

会社が成長し続けるためには、この先事業をどのように進めるのかを考えるうえで、知的資産が重要となります。今回は、知的資産について押さえておくべきポイントを解説します。

◎そもそも知的資産って?

「知的資産」は特許などの知的財産権や、ブランド、ノウハウといった知的財産に加えて、人材、組織力、顧客とのネットワークなど、会社が所有している目に見えない資産のことを広く指します。

知的資産は単純に数値で示すことができないものが多いことが多く、また、競争力を高めて会社を成長させるためには欠かせない資産です。自社がどのような知的資産を持っており、他社と比べてどこが強いのか。また、それらをどのように組み合わせれば収益につながるのか。数値で簡単に捉える事ができない分、どう活用すれば会社の利益となるのかを戦略立てて経営に落とし込むことが必要です。

◎自社の持つ知的資産を経営に活かそう

知的資産を経営に落とし込むための第一段階としては、まず自社の持っている知的資産を把握する必要があります。そこで役に立つのが「SWOT分析」という方法です。

SWOT分析とは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字からとった用語で、市場の中で会社がどのような立ち位置にいるのかを明確にするための分析手法です。強みと弱みは自社に対する分析、機会と脅威は自社が置かれている環境に対する分析です。まずはこの2つの軸に沿って会社の現状を把握しましょう。

次に、強み、弱みと機会、脅威の掛け合わせについて分析します。

強み×機会⇒自社の強みを活かせる機会を考える

強み×脅威⇒強みを活かして避けられる脅威を考える

弱み×機会⇒弱みを補強できる機会を考える

弱み×脅威⇒弱みを知ることで避けられる脅威を考える

このような分析手法を「クロスSWOT分析」といい、強みや弱みが影響する現実的なケースの想定に使うことができます。

今回紹介したのは分析手法の一つで、自社の状況を整理するためのツールです。これらをもとに、自社の知的資産を正確に認識したうえで、経営戦略を練ることが大切です。

◎知的資産経営報告書を作成するメリット

中小企業やベンチャー企業であれば、従来の財務諸表を中心とした報告書だけでは、会社の真の価値が十分に伝わらない場合があります。そこで、「知的資産経営報告書」を作成しておくことで、会社の優れた部分を取引先や金融機関、投資家、顧客、従業員などの利害関係者に伝えることができ、商品の信頼性を高めることや、事業の優位性、将来性などをアピールすることができます。

特に、資金調達や事業継承、人材確保などのタイミングでは、会社の持つ知的資産を相手に正確に伝えることが有利に働きます。

知的資産を活かした経営戦略を考えることは、通常業務の維持や改善だけでなく、新しい価値を創造するためにも役立ちます。会社や事業の成長のためにも、まずは知的資産の分析から実践してみてください。

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