COLUMN

コラム

会社設立の流れと設立書類ひな形

「発起人」と「役員」 会社への出資者と会社運営のメンバーについて

株式会社には、「お金を出す人」と「会社を運営する人」が必要です。

会社法では、お金を出す人を「発起人」といいます。発起人はお金を出して1株以上の株を引き受けます。そして会社の名称や本店住所など概要を決め、定款の作成を行います。

発起人は会社設立後に「株主」となり、持っている株数に応じて配当を受けることができます。さらに株主総会で議決権を行使、重要な事項を決定するなど、会社とコントロールしていく役割を担います。

一方、会社の運営を行う人のことを総称して「役員」といいます。役員には、「取締役」「代表取締役」「監査役」といった種類があります。

さて、会社の設立方法には、「発起設立」と「募集設立」の2つがありますが、中小企業の多くは「発起設立」を選択するようです。
発起設立とは、家族や友人、知人など、身近な人のみがお金を出し、お金を出した人全員が発起人となる設立方法です。募集設立と比べて、発起設立のほうが手続きも簡単なうえ、費用も安いので、現在では発起設立が主流となっています。

●発起人は1名以上でOK

発起人の人数に制限はないので、1人でも大丈夫です。
仮に資本金100万円とした場合、あなた1人で100万円出せば、発起人はあなた1人になります。家族や友人、知人にお金を出してもらった場合、出した人全員が発起人です。この場合、金銭的には負担が減るのですが、会社は発起人全員でつくっていくことになるので、発起人の数が多いほど手続きに時間がかかることになります。


近年は発起人を1人、役員も1人とする、いわゆる1人会社が増えています。その理由は、会社設立の準備や設立後の運営をスムーズに進めることができることが一番大きいですね。何人かでお金を出し合うにしても、効率を考えると発起人の数は2~3名までにしておくことをお勧めします。

●発起人になれる人、なれない人

発起人の資格には制限がないので、個人、会社も発起人になることができます。

●発起人の仕事

発起人の仕事は、会社設立を目的とする次の4つです。
 ①会社の概要を決めていく
 ②定款の作成をする
 ③資本金の振り込みなど出資を行う
 ④そのほか会社設立に必要な開業準備、営業行為(設立時の経理・税務上の処理をどうする か、賃貸借契約などの契約関係の処理など)

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。