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コラム
私たち第三者の視点から会社の経理業務を見てみると、無駄なことが結構あります。それもそのはず、経理というのは会社の中でもブラックボックス化しやすい部分であり、中には経営者様ですら「実は経理担当者がどんな業務を行っているのかよく分からない……」というケースがあるからです。これでは効率化などできるはずがありませんよね。しかし、今の世の中省人化は基本中の基本です。経理ソフトを導入するなど、業務の効率化を目指してみてはいかがでしょうか?
「経理ソフトなんて使い方が分からないし、導入されたら自分の仕事がなくなってしまうのでは?」と経理業務の効率化に不安な現・経理担当の皆さんも、安心してください。経理業務で培った知識と経験を活かせる場として、社内アナリストという仕事があります。今まで経理業務を担当してきたからこそ提供できる付加価値で、自分にしかできない仕事をしてみませんか?
「経理業務には無駄が多い」と言っても、その環境に慣れきってしまっている人にとってはなかなか気づきにくいもの。そこで、まずはよくある経理の無駄を紹介いたします。
昔ながらの経理担当者がいる会社では、いまだに経費の精算を手渡しで行っていることがあります。例えばあなたがボールペンを1本買ったとしましょう。まず、経理担当者に領収書を提出します。あなたはその領収書と引き換えに現金をもらうでしょう。その領収書の金額を、経理担当は帳簿等々に逐一記録して・・・と、わずか100円程度のものに、5分、10分の時間をかけている人もいます。今ではこうした経費の精算は、月末まとめて領収書と一緒に提出、その後お給料と一緒に一括清算、というところがほとんど。細かい清算に毎回毎回このような手間をかけるのは、明らかな無駄でしょう。
その他にも経理担当者のこだわりのようなものから、「伝票を必要以上に書きたがる」「帳簿は手書き」「わざわざ現金を持って窓口に振り込みに行く」といったものもありますが、これらも現代においては無駄であることが多いです。伝票は必要な時にだけ、帳簿はエクセルで管理する、振り込みはネットバンキングで、などの施策を行えば一気に効率化をすることができます。
さらに最近の会計ソフトには自動仕分け機能がついていますので、いちいち振込先や金額などを入力せずとも、データを読み込ませるだけで最適な場所に入力してくれます。また、領収書をスマホでかざすだけで自動的に経費の項目に入力される、というソフトもあります。このように、今や知識のない人でも帳簿の作成が可能な時代なのです。経理担当者専任の仕事というのは、これからどんどん減っていく運命にあると言えるでしょう。
では経理業務の無駄が省けることが分かった今、経営者様はどのような行動とるべきでしょうか?徹底的に効率化して、必要のない支出は削る。これがあるべき姿ですよね。でも、これまで頑張ってもらったという思いもあるでしょうし、効率化によって一方的に経理担当者の業務をなくしてしまうのは気が引ける、という方も多いと思います。そんな時には経理担当者にぴったりの、というより経理担当者にしかできない仕事を任せましょう。それは「社内アナリスト」です。
経理担当者というのは、社内のお金に対するデータをすべて見てきた稀有な存在です。当然、会社のどの商品がどんな時期に売れるか、といった知見も相当溜まっているはず。そんな「経理担当者にしかない知見」を活かして、客観的な数字を分析してはじき出した第三者視点でのアドバイスを提供する。これが社内アナリストの仕事です。
例えば去年の同時期に比べて、一方の製品は売り上げが落ちているけど、もう片方はなぜか上がっている。このことにいち早く気づけるのは、会社のお金の出入りを全て把握している経理担当者です。そこから「実はこれら2つの商品にはこちらが想定していなかったような共通の使われ方があって、だから片方の売上げが上がるともう片方が下がるんだ。次は両者の良いところを抽出した製品を作って一本化できれば、コストダウンにつながるに違いない」というアドバイスを社内に提供できれば、ただの経理担当者よりも直接会社の利益に貢献することができます。
経理業務の効率化は決して経理担当者の仕事を奪うものではありません。むしろ、経理担当者の仕事に余裕を持たせ、より生産的な「社内アナリスト」の業務をしてもらうためのものなのです。
経理業務の効率化のために一番手っ取り早いのは、会計ソフトの導入です。ただ、顧問の税理士がいる場合には、導入前に必ず相談するようにしましょう。その理由は、税理士にも会計ソフトの得意不得意があるからです。事前にどのソフトがお勧めか、聞いておくようにしましょう。
また、税理士によっては会計ソフトの導入支援を行っている場合があります。クラウド型会計ソフトは大変便利な反面、扱いが面倒というイメージを持たれている方も多いですよね。特に年配の経営者様や古株の経理担当者の場合には、「使い方がよくわからなそう。新しく覚えるくらいなら今のままでいいや」と結局導入しないケースもよく見られます。でもそれは目の前に改善のチャンスがあるのに見逃し続けているということ。非常にもったいないことです。
私たちも、会計ソフトの導入支援を行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。前述の経理の無駄を省く経理業務最適化コンサルティングも行っておりますので、会計ソフトの導入と併せて検討してみてはいかがでしょうか?
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。