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経理に役立つ簿記知識

収益上の「経営安全率」とは?

今回は、収益上の「経営安全率」についてご紹介します。

◎2つの比率分析で実態を把握する

会社の経営が安全な状態かどうかというのは、とても大切なことですよね。しかしそれは、単に売上高を求めるだけでは分からない、少々複雑な計算が必要になります。
例えば、前期と当期の実際の売上高が同じだったとします。その時のそれぞれの損益分岐点売上高を求めたところ、当期の損益分岐点売上高が前期より小さければ、当期の方が利益を効率的にあげているという判断ができます。しかし現実には、実際の売上高が連続して同額であることはありません。そうなると、損益分岐点売上高を求めただけでは、実態を把握することはできませよね。そこで、「損益分岐点比率」と「経営安全率」の比率分析を行います。

◎「損益分岐点比率」とは?

損益分岐点比率とは、損益分岐点売上高が、実際の売上高に対して下から何%の位置にあるかということを示している比率です。
・計算式 → 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/実際の売上高
損益分岐点売上高は、小さければ小さいほどよいので、この計算結果は小さい方がよいことになります。

◎「経営安全率」とは?

経営安全率とは、実際の売上高が損益分岐点売上高まで落ち込むのに、何%のゆとりがあるのかということを示す比率です。
・計算式 → 100%-損益分岐点比率(%)
経営安全率は、損益分岐点率と反対で大きければ大きいほどよいことになります。

◎「損益分岐点比率」と「経営安全率」の具体例

ここでは、E社の前期と当期の「損益分岐点比率」と「経営安全率」を例にあげて考えてみましょう。
<E社の前期>
①損益分岐点売上高60万円 ②損益分岐点比率60% ③経営安全率40%
<E社の後期>
①損益分岐点売上高60万円 ②損益分岐点比率50% ③経営安全率50%
経営分岐点売上高は前期、当期とも同じですが、経営安全率が前期の40%から当期の50%に上がっている。よって、当期の方がゆとりがあること分析することができます。
このように、経営安全比率を求めれば、経営分岐点売上高だけでは分からない、経営のゆとりを知ることができるのです。

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