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コラム
前回、総資本経常利益率についてお伝えし、総資本経常利益率の悪いA社を例にあげましたよね。A社の総資本経常利益率の悪化を分析するためには、総資本経常利益率を「売上高経常利益率」と「総資本回転率」に分解する必要があります。今回はこの2つの率についてご紹介しましょう。
売上高経常利益率とは、売上高のうち、経常利益がどのくらいの割合を占めるかを表した数字です。比率が大きい方が経営効果がよいことになります。
・計算式 → 売上高経常利益率=経常利益/売上高×100
ここでは、総資本経常利益率の分析例と同様、A社の過去3期分の決算書の比較を例に、具体的な売上高経常利益率の分析をしていきましょう。
<A社の売上高経常利益率(前々期)>
①経常利益…130万円 ②売上高…1000万円 ③売上高経常利益率…13%
<A社の売上高経常利益率(前期)>
①経常利益…130万円 ②売上高…1000万円 ③売上高経常利益率…13%
<A社の売上高経常利益率(当期)>
①経常利益…130万円 ②売上高…1000万円 ③売上高経常利益率…13%
各期の総資本経常利益率には変化をみることはできないので、原因は売上高経常利益率ではないことが分かります。
総資本回転率とは、会社の事業のために使う総資本が、1年間に何回回転したか(効率よく資本が使われたか)を表す数字です。比率が大きい方が経営効果がよいことになります。
・計算式 → 総資本回転率=売上高/総資本
ここでも、総資本経常利益率の分析例と同様、A社の過去3期分の決算書の比較を例に、具体的な総資本回転率の分析をしていきましょう。
<A社の総資本回転率(前々期)>
①売上高…1000万円 ②総資本…1000万円 ③総資本回転率…1回
<A社の総資本回転率(前期)>
①売上高…1000万円 ②総資本…1083万円 ③総資本回転率…0.9回
<A社の総資本回転率(当期)>
①売上高…1000万円 ②総資本…1181万円 ③総資本回転率…0.8回
各期の総資本回転率がだんだんと悪くなっていますよね。これが総資本経常利益率を悪化させる原因になっていたのです。総資本を効率的に活用できていないということがこの分析によって分かりますね。
※記事に含まれる情報は、記事作成時点のものとなります。