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経理に役立つ簿記知識

関係比率で決算書を分析する① 運転資金

前回までは、決算書の損益計算書と貸借対照表の構造や味方についてお伝えしてきましたよね。今回からは、決算書に載っているいくつかの数字を関係させて分析する「関係比率」という方法で、様々な事柄の分析をご紹介していきましょう。

◎運転資金を監視するための分析

会社の運営にとって、運転資金がきちんと確保できているかどうかということはとても大切ですよね。それには運転資金を監視するための分析をする必要があります。運転資金がきちんと確保できているかどうかは、以下3つの方法で分析できます。

◎分析方法①売上債権回収期間

おさらいになりますが、売掛金や受取手形などの後払いされる売上代金のことを、まとめて「売上債権」といいますよね。この売上債権回収期間という分析方法は、売上債権が月平均の売上高の何カ月分あるのか、あるいは何カ月で回収されるのかということを表しています。
・計算式 → 売上債権回収期間=期末の売上債権÷1カ月当たりの売上高
運転資金を確保するためには、少しでも早く売上債権を回収した方がよいですよね。よってこの計算結果は小さい方がよいことになります。

◎分析方法②棚卸資産在庫期間

棚卸資産とは、簡単に言えば、売れずに残っている在庫のことです。例えば商品、製品、半製品、原材料、仕掛品などがそれにあたります。この棚卸資産在庫期間という分析方法は、棚卸資産が月平均の売上原価の何カ月分あるのか、あるいは何カ月で販売されるのかというとこを表しています。
・計算式 → 棚卸資産在庫期間=期末の棚卸資産÷1カ月当たりの売上原価
会社で作った製品や仕入れた商品は、少しでも売れた方がよいですよね。また製造業の会社だったら、仕入れた部品や原材料を少しでも早く製品化した方がよいですよね。このように、在庫はできるだけ少ない方が運転資金を確保しやすくなります。よってこの計算結果は小さい方がよいことになります。

◎分析方法③仕入債務支払期間

仕入債務とは、簡単に言えば、後払いする仕入れ代金のことで、買掛金や支払手形などがそれにあたります。この仕入債務支払期間という分析方法は、仕入債務が月平均の仕入高の何カ月分あるのか、あるいは何カ月で支払われるのかということを表しています。
・計算式 → 仕入債務支払期間=期末の仕入債務÷1カ月当たりの仕入高
運転資金を確保するためには、仕入債務はできるだけ長い期間をかけて支払った方が有利ですよね。よってこの計算結果は大きい方がよいことになります。

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