COLUMN

コラム

経理に役立つ簿記知識

毎日増減する現金を、正確に管理する!

今回は、経理が毎日行う仕事の中で、現金の取り扱いや管理の仕方についてご紹介します。

◎社員一人が一日働けば、様々なシーンで現金が動く

会社は毎日数多くの取引をしているので、当然現金も毎日頻繁に動いています。動きを会社単位で考えるととても大きくなってしまうので、ここでは分かりやすく一社員(営業部のAさん)の一日の仕事内容を例にあげて考えてみましょう。

<営業部Aさんのある一日の仕事内容>
①出社後、取引先B社へ電車に乗って外出
②取引先B社で売上代金の回収
③部長に頼まれた会社のパソコンの備品を、B社の近くのC商店で購入
④電車に乗って帰社し、資料をまとめる
⑤夕方から自社の近くの飲食店で、取引先D社の社長を接待する

さて、上記のAさんの一日の仕事の中で、どのようなお金が動いているのでしょうか。今度は上記の仕事内容を現金の増減で考えてみましょう。
①現金が減る…取引先B社までの交通費
②現金が増える…売上代金の受け取り
③現金が減る…備品の購入代金
④現金が減る…帰社までの交通費
⑤現金が減る…接待費としての飲食代金

◎「現金出納帳」に記入する

現金の取り扱いは、上記のような社員一日の現金の動きをまとめ、請求書や領収書などをもとにして、これらの日付、収入や支出の具体的な内容と金額、そして残高を「現金出納帳」という帳簿に記入します。そして一日の終わりに現金出納帳の帳簿残高と実際の手元現金残高が合っているかを確認します。もし合っていない場合には計算ミス、記入ミス、領収書の漏れなどが考えられるので、一致するまで調べましょう。

◎「現金過不足」と「雑収入・雑損失」

実際では、現金出納帳の帳簿残高と実際の手元現金残高がどうしても一致しない場合も出てきてしまいます。その場合「現金過不足」という科目を使ってとりあえず合わせ、後日原因が分かり次第、正しい科目に訂正しましょう。期末時点においても不明な場合、手元現金残高の方が多い時は「雑収入」、手元現金残高の方が少ない時は「雑損失」という科目で処理します。

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