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経理に役立つ簿記知識

固定資産の除却「固定資産除却損」の仕訳方法

前回は固定資産の売却における「固定資産売却益」と「固定資産売却益」の仕訳方法についてお伝えしました。今回は固定資産の廃棄処分する、除却における「固定資産売却損」の仕訳方法についてご紹介します。

◎固定資産の廃棄処分、除却

車両や機械など、固定資産は使用期間とともに価値が減少していくので、劣化した固定資産を売却したり、廃棄処分する場合がでてきますよね。前回までにお伝えした通り、売却する場合は売却額が帳簿価額よりも高くても低くても、売却代金が現金として入ってきます。しかし廃棄する場合は、当然ですが一切の現金は入ってきません。そこで資産の除却にかかる損金を処理するために「固定資産除却損」という勘定科目を利用します。

◎固定資産除却損の仕訳方法

<例:数年前に130万円で購入した機械を廃棄処分した。売却時での減価償却費の累計は70万円だった>
・取得価額…130万円
・減価償却費…100万円
・帳簿価額…130万円-100万円=30万円
◇直接法(固定資産の帳簿価額を直接減らす方法)で処理した場合
①結果を考える…30万円の機械を手放した ⇒ 帳簿の右(貸方)に「機械30万円」と記入
②原因を探る…機械廃棄で30万円損した ⇒ 帳簿の左(借方)に勘定科目「固定資産除却損30万円」と記入
       (取得価額から減価償却累計額を引いた帳簿価額30万円が固定資産除却損の金額になります)
◇間接法(減価償却累計額を使う方法)で処理した場合
①結果を考える…30万円の機械を手放した ⇒ 帳簿の右(貸方)に「機械30万円」と記入
②原因を探る…機械廃棄で30万円損した ⇒ 帳簿の左(借方)に勘定科目「減価償却累計額100万円」「固定資産除却損30万円」と2行立てで記入
       (廃棄処分までの減価償却費の合計額は、減価償却累計額で処理されているので、機械の帳簿価額は130万円のまま)

固定資産売却益や固定資産売却益の場合と同様、直接法と直接法で仕訳方法が異なってきますので、各方法で間違いのないよう、しっかりと確認しましょう。

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