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経理に役立つ簿記知識

仕入の計上と買掛金の注意点

前回は、売上の計上と売掛金の注意点についてお伝えしましたが、今回は仕入の計上と買掛金の注意点についてご紹介します。

◎仕入の計上基準

売上の計上基準とは異なり、仕入れの計上基準は税法上で取引内容ごとの具体的な規定はありませんが、一般に公正妥当な会計処理を行いましょう。基本的に仕入は、発注していた商品などを受け取った時に計上し、以下の基準で処理をすることになっています。
①商品を注文する
②商品を出荷する…出荷基準 ⇒ 売り主の出荷時に仕入を計上する
③商品を受け取る…受取基準 ⇒ 商品を受け取った時に仕入を計上する
④検収…検収基準 ⇒ 商品の検収時に仕入を計上する
⑤代金を支払う

◎仕入代金の支払い

商品の仕入れ代金を支払方法には、以下の3つの方法があります。
①商品などを受け取ったと同時に、現金や小切手で支払う方法
②後日請求書を受け取ってから、振り込みをして支払う方法
③事前に一部もしくは全額を前受金として支払う方法(場合による)

◎「掛け」の取り扱い

多くの会社は商品などを受け取って、その代金を後日支払う「掛け(買掛金)」をしています。買掛金の取り扱いは以下の通りです。
①仕入先の締め日が様々なため、請求書が様々な日に届きます。
②支払期日や支払金額など、買掛金を管理するため仕入先元帳などで正確に管理します。
③支払期日に支払います。

◎「買掛金」の注意点

買掛金で特に注意したいのが、管理を怠って支払い期日までに相手先に支払いができなかった、などということが起こらないように細心の注意を払うことです。支払期日に間に合わなかった時点で、支払先からの信用が大きく落ちてしまいます。例えば、別の取引先からの売掛金回収が遅れたなど、こちら側の理由でどうしても支払期日までに支払いが間に合わない場合には、支払先に事前に期日の変更などをお願いし、了解を得ることも経理にとっては重要な仕事になります。繰り返しになりますが、売掛金も買掛金もきちんと期日までの請求や支払い、そして書類等の管理を行うことが、取引先への信用を維持し、正確で正当な利益を生み出すことにつながるのです。

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