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コラム

経理に役立つ簿記知識

2種類の手形「約束手形」と「為替手形」のしくみとは

◎「手形」とは?

手形とは、将来決まった日(期日)に手形に記載された金額を支払うことを約束する証券です。手形には2者間でやりとりされる「約束手形」と3者間でやりとりされる「為替手形」の2種類あります。

◎2者間でやりとりされる「約束手形」とは?

約束手形とは、手形を振り出した人(振出人)が、手形を受け取った人(受取人)に対して、「何月に何日にいくら支払います」と約束するものです。以下例をあげてご説明しましょう。

<例:A社がB社に約束手形を振り出す場合>
①A社がB社に約束手形を振り出す
②B社が約束手形を受け取る
③A社が支払期日にB社に手形代金を支払う

◎3者間でやりとりされる「為替手形」とは?

為替手形とは、約束手形同様「何月に何日にいくら支払います」と約束する証書ですが、振出人と受取人の他に支払いを引き受けた人(支払人)が存在します。つまり、約束手形は「振出人=支払人」なのに対し、為替手形は「振出人≠支払人」ということです。それはいったいどういうことでしょうか。以下例をあげてご説明しましょう。

<例:A社がB社に為替手形を振り出し、C社が支払いを引き受けた場合>
・振出人…A社(B社に買掛金があり、C社に売掛金がある)
・受取人…B社(A社に売掛金がある)
・支払人…C社(A社に買掛金がある)
①A社がC社に「A社のB社への買掛金を替わって支払って下さい」という為替手形の引き受け依頼をする
②C社がそれを承諾する
③A社がB社に「代金はC社から受け取って下さい」という為替手形を振り出す
④B社が為替手形を受け取る
⑤C社が支払期日にB社へ手形代金を支払う
上記のように、為替手形が振り出される場合は、受取人B社と支払人C社の間には関係がない場合でも、各自が振出人A社との間に買掛金や売掛金があったりするのです。こういった場合、例えばB社とC社がそれぞれA社と約束手形の振り出しや受け取りをするよりも、A社がより早く効率的にそれぞれに対応ができるということになるのです。

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