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コラム
平成26年に総務省統計局が行った調査によると、全国に約28,000もの税理士事務所が存在しています。
東京だけに限定したとしても、その数は6,000弱です。
もちろん人口や会社数の多さから考えると納得の数字ではあるのですが、この膨大な数の税理士事務所から、どのようにして「よい税理士」を探すのかをお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで、税理士の選び方、その中でも「こんな税理士はやめておいた方がいいかも?」という税理士について解説します。
少し怖い例となってしまいますが、手術が必要なほど大きな病気にかかったとします。
その際には医師から「あなたはこういう病気です、だからこういう手術をしましょう」という説明があると思います。
もし事前の説明が何もなく「切っておきました」と言われたら、びっくりしますよね。
おそらく、多くの方が「ありえない」と思われるでしょう。
これは、税務の医師とも言える税理士においても同様のことが言えます。
確かに税務処理は複雑な部分が多いので、全てを任せてしまえば、最初は楽に感じるでしょう。
しかし「この先どう事業を進めていきたいか」という経営者様の意向は会社の帳簿を見ただけではわからないこともあります。
その意向は、方法が一つとは限らない税務処理を行う上で必要不可欠なのです。
例えば、ある税務処理のしかたに2通りあったとします。
経営者様の意向を第一に考える税理士は、「こちらの方法をとると今年の税金は減るけど来年は減りません。もう一方の方法をとると毎年ちょっとずつ税金が減ります。御社の状況を考えると、こちらの方法が適切だと思いますが、いかがでしょうか?」ときちんと説明をします。
その上で結論を出していただき、その処理を実行するのです。
今年大きく節税できた方がよいのか、それとも長期的に節税をしていきたいのかは経営状態と経営者様の考えている事業プランを鑑みないと判断ができません。
税理士はあくまで税務処理の代理人。
本人の意向を考えずに勝手に判断してしまう税理士はお勧めしません。
急ぎ相手に連絡をとらなければいけなくなった時は、どのような通信手段を利用しますか?
おそらくほとんどの方が「電話」を選択すると思います。
もしその相手がいくら電話をかけても全く出てくれなかったら、また、折り返しの連絡もなかったらとても不安になるでしょう。
もちろん税理士においても同様です。
コミュニケーションが円滑に進まなくなることにより不安を覚えると同時に、あまり時間をかけたくないはずの税務処理にかける時間が多くなってしまいます。
基本的に税務処理というものは、ビジネスに直接関わり利益を生むものではありません。
そのため、必要以上に時間をかけてしまうと、ビジネスの時間を圧迫し、経営の悪化につながりかねないのです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、税理士は煩雑な税務処理にかかる時間をできるだけ経営者の負担にさせないことが責務と言えます。
なので、電話をかけてもほとんど出てくれない税理士は避けた方が無難でしょう。
先程の「電話に出ない税理士」よりは安心できますが、電話対応がきちんとしていない税理士も残念ながらある程度います。
例えば、以前とある税理士事務所に電話をかけたら、ぶっきらぼうに「はい、なにか?」と対応されたことがある、というお話を伺ったことがあります。
そのような対応をされてしまったら不信感が拭えませんし、気分もよくありません。
税理士事務所にとって、お電話を下さる方は皆様が大切なお客様です。
もちろん何でも相談していただけるよう、会社様に寄り添ったお付き合いをさせていただきたいと考えていますが、だからといって丁寧さを欠いてしまってはなりません。
電話してつながった瞬間にホッとするような応対をする税理士事務所は、ぜひ検討の候補に加えて下さい。
※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。