COLUMN

コラム

顧問税理士の選び方

顧問税理士の活用法 「管理会計の導入サポートを得る」

<税理士には、ぜひ管理会計の導入サポートをお願いしましょう>

会社の自計化―このシステムは上場企業では100%実現されており、企業の成長度の目安ともいえるもの。
自計化が進むと、必然的に経理スタッフや会社幹部がレベルアップするため、数字による企業戦略の立案と「管理会計」が可能になります。
管理会計とは、会社幹部が経営に関するさまざまな意思決定する際に用いることができる会計情報や、データのことです。

たとえば、コンビニやスーパーなどのレジに備わっているPOS。これが管理会計です。POSでは「誰が(年齢や性別)、いつ、何を、どれぐらいの量、どんな天気の時に買ったのか」が瞬時に離れた場所で把握できるため、販売戦略にスピーディにいかすことができます。つまり管理会計のデータは、経営の判断材料となるとても重要なものなものなのです。

<制度会計だけでは、会社の現状を知り、未来を正しく考えるためには不十分>

その企業がいくら税金を納めなくてはならないかを計算するためにつくられたもの(財務諸表など)。それが制度会計のデータです。これらは会計上の処理だけを目的としているため、よほどの専門家でも、制度会計のデータだけをもとに経営戦略を立てることは不可能たと思われます。

たとえば、ある企業が粉飾決算をして、対外的に会社を一時的に「よく見せかける」データを作成したとしましょう。
このデータを見て、会社が抱える本当の問題を洗い出し、経営にいかすことはできるでしょうか?
粉飾決算は極端な例だとしても、通常の財務諸表などは、株主への配当金を出すためであったり、税金を払うためにつくられるものであるため、本質的に経営状態を改善し、起業の成長発展を目指すデータとしては不十分です。

会社の現状を知り、未来を正しく考えるためには制度会計だけでは不十分だといえるため、できるだけ早いうちに管理会計を導入されることをオススメします。
管理会計は「社内で経営分析をする際に役立つか」ということに基準がおかれているため企業経営に直接役にたちます。また、役所に提出する必要がないため、細部にこだわらず自由度の高いデータを作成することもできます。

普段の実務上は経営上わかりやすい勘定科目で処理(管理会計)しておき、決算申告のときに決算修正することで、申告用決算書(制度会計)に変えるという方法が一般的です。

規模の小さな会社なら、まずは税理士の指導のもと自計化を進めて、管理会計のデータ作成ができることを目標とされるのも一案です。