ベテランか若手かと“いい税理士”かは関係あるのか

＜若手税理士のメリット・デメリット＞

「どんな税理士を希望しますか？」という問いに対して「とにかく若くて元気な税理士に来てほしい」と答えられる経営者の方はよくいらっしゃいます。ではまずここで若手税理士のメリットについて考えてみましょう。

まずメリットの一つは、相対的に価格が安いことにあります。
開業して間もなくの税理士なら、まだ顧問先が少ないので平均よりは安いと思われます。また、若いため「これからお客様のために頑張るぞ」という使命感に燃えており、エネルギーに満ち溢れています。一概には言えませんが、お客様が少ない分、ひとつひとつの顧問先を大切にして誠意をもった対応をすると考えられるでしょう。

一方デメリットはというと、ズバリ経験が少ないことです。
たとえば税務調査では、海千山千の税務調査官にむかって、さまざまな知識を総動員しなおかつ臨機応変な対応が求められるもの。
若くて経験の少ない税理士なら、調査官とのやりとりに多少の不安があるのは事実です。

＜ベテラン税理士のメリット・デメリット＞

ベテラン税理士は、これまでたくさんの案件にかかわっているため、豊富な知識やテクニックを持っている人が多いでしょう。
そのため、税務調査の立ち会いの際には、調査官をやんわり諭したり、議論に打ち勝ってしまうような人もいます。
さらに記帳だけではなく、税務監査やコンサルティング能力も高いであろうことが期待できます。これらはまさに積み重ねてきた経験のたまものだと言えるでしょう。

ではデメリットにはどんなものがあるでしょう？
まず第一は価格面です。平均よりは多少価格が高くなります。さらにＩＴ知識も若手よりは若干劣る傾向にあります。

ここで書いたことはあくまで＜そのような傾向にある＞ということです。
一概によい悪いを判断することは不可能だといえるため、まずは自社の進むべき方向を見定めて、目的に沿った税理士を選ぶのが正解だと言えるでしょう。