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税務処理の基礎知識

社長の経費、どこまでがビジネスで、どこまでがプライベート?

社長はビジネスとプライベートの区別がはっきりしない

働き方改革やワークライフバランスという言葉が叫ばれている昨今ですが、経営者様にとってビジネスとプライベートの境目なんてあってないようなものですよね。

しかし、税務上はそんなことも言っていられません。特に難しいのが経費の問題です。というのも、本当にビジネスでの出費だとしても、一見プライベートなものだと突っ込まれて否認されてしまう可能性があるからです。客観的な根拠をしっかりと用意したうえで経費にするようにしましょう。税務においては、「社長にはビジネスとプライベートの境目はない」という考え方は通用しません。

例えば中学校の同窓会に行ったとしましょう。そこで数十年ぶりに再会した友人と意気投合し、ついには商談を一つまとめて帰ってきました。この時、同窓会にかかった費用は接待交際費として計上できるでしょうか?

あるいは、今度新たに営業エリアを拡大しようと考えており、その下見を兼ねて奥さんと旅行に行ったとします。実際に旅先の土地をいろいろ見て回り、めぼしい候補を見つけてきたとしたらどうでしょうか?新店舗の出店準備として、旅行代を出張代として計上できるでしょうか?

税理士によっても判断が分かれるところ

先ほど挙げた2つの例は、事情を知ってさえいればビジネスになりますが、事情を知らない税務署から見れば、ただ単にプライベートの同窓会や旅行の代金を経費だと無理やり計上しているようにしか見えません。他にも仕事上の付き合いもある友人との食事や、意見交換会という名目の飲み会など、経費にしても良いのか微妙な出費というのは意外とたくさんあります。

こうした、「見方によればビジネスだけど見方によってはプライベート」のような、いわばグレーゾーンの問題について、「これが正解」という見解は存在しません。「否認される可能性があるから、経費にしない方が良い」という税理士もいれば、「ビジネスで使ったことが明白なら、経費にしても問題ない」という税理士もいて、同じ資格を持った税理士同士でも、スタンスが分かれているのが現状です。

ちなみに黒川税理士事務所は、後者のスタンスです。もちろん事業と全く関係のないものまで経費に突っ込め、という話ではありません。しっかりと経緯を説明できるのは当たり前、加えて「税務署を納得させるための対策」を実施できる状況にあるのであれば、プライベートに見える出費もきちんと経費として計上することをお勧めしています。具体的にどのような対策が必要なのか、次章で見ていきます。

ビジネスの証拠をどこまで集められるかがカギ

例えば先ほど挙げた旅行の例で考えてみましょう。大前提として、奥さんの分の旅費も経費として計上したいのであれば、奥さんがその下見に同行する理由がなければいけません。奥さんがその下見でどんな役割を担っていたのか(新規出店に関する知識がある、社長の秘書業務を日ごろから行っているなど)を明確にしておきましょう。

その次は、ビジネスとして何をしてきたのかを証明しなければいけません。「地元の不動産屋を回ってました」「大家さんに話を聞いてました」などいろいろあるかもしれませんが、税務署は言うだけでは認めてはくれない可能性もあります。

どんなビジネスを行っていたのか、しっかりと証拠を集めておきましょう。例えば地元の不動産屋や大家さんに会いに行ったのなら、名刺の交換くらいはしているはずです。こうした名刺類は証拠になりますので、仮に破談になったとしても、破棄せず保管しておくようにしてください。それから、本気で新規出店を考えて行ったのなら「この土地はどうだった」「あの大家さんはこういう人だった」などを記録したレポートがあるはずです。こうした実際に行ってみなければわからないことが反映されたレポートも、税務署を納得させる証拠になります。

他にグレーゾーンといえば、社用車についても皆さま不安に思われる部分です。結局のところ社用車というのは移動することが一番の目的ですから、高級外車である必要は全くありません。そこを「対外的信用」や「安全性」といった理由で納得させることができれば、否認される可能性は少なくなるでしょう。

ただ、どんな証拠が有効なのか、保管しておくべき書類は何なのか、といったことは、実際に税務に関わっていないとイメージがつかないかもしれません。そんなときには、お気軽に税理士までご相談ください。これまで培ったノウハウを踏まえて、適切なアドバイスをさせていただきます。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。