COLUMN

コラム

税務処理の基礎知識

申告と納税~資金繰りの事情で税金が納付できない場合

税金は事業年度終了の日の翌日から2カ月以内に納付しなければなりません。
ところが、資金繰りの都合などにより期限までに納付ができそうもない場合は、どうしたらいいでしょうか。

◎期限が過ぎてしまったら延滞税がかかる

法人税などの納期限が過ぎてしまっても、その後にすみやかに納付すれば、延滞税がかかりますが、とくに問題はないので安心してください。
とはいっても、法人税や消費税などの国税が何カ月も納付されずにいると、税務署から督促されることになります。
督促されても、納付せずにそのままにしていると、法律に定められた差し押さえなどの強制的な徴収手続きが行われることになりますから、すみやかに納付するようにしましょう。

◎小口の滞納では分割納付が認められる

もし滞納した国税が100万円未満で、分割納付期間が3カ月程度の小口の滞納の場合、納付契約書を提出すれば、分割納付が認められています。
納付計画については、税務署の徴収職員と話し合うことで決められますが、その期間は財産の差し押さえが猶予されることになっています。

また、災害にあった場合など、特殊な事情が生じたために納付ができないというときは、税務署長の許可を受ければ、1年以内の分割納付にすることができる「納税猶予制度」というものがあります。
この納税猶予を受けるためには、原則として担保の提供が必要とされますが、猶予期間中は延滞税の全額、または半額が免除されることになっています。

その他、「換価の猶予」という制度もあります。
これは税金を滞納している会社の財産がすでに差し押さえされている場合でも、一度に納付することができない事情があるときは、差押財産の換価を猶予するなどして、1年以内に限り分割納付できるというものです。
なお、換価の猶予を適用するかどうかは税務当局の裁量によるとされており、猶予を適用しないことに対する納税者側の異議申し立ての権利は認められていないので注意してください。

いずれにしても、納税が期限までにできそうもないとわかったときには、できるだけ早く納付することが大切ですね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。