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税務処理の基礎知識

資産と減価償却③自動車購入時の諸費用/賃貸物件の内部造作費

今回取り上げる事例は、会社で新車を購入したときの諸費用の資産計上と、賃貸物件の内部造作費の償却方法についてです。

◎自動車購入~本体価格以外の諸費用も資産計上する?

自動車を購入すると、車体本体価格の他に、カーナビなどの付属品、販売店に支払う販売諸費用、自動車税、重量税、リサイクル預託金、自賠責保険料、車庫証明発行などの登録関係の法定費用といった、さまざまな費用が発生します。
これらのうち、付属品、販売諸費用、自動車取得税、登録関係の諸費用については、付随費用として、車両本体の取得価額に含めて資産計上するのが原則となっています。
ただし、税務上では、自動車取得税と登録関係諸費用については資産計上せずに経費とすることが認められていますから、経費計上したほうがよいでしょう。

①取得価格に含めて資産計上するもの
 本体価格/付属品費用/販売諸費用
②取得価格に含めるか、経費計上かを選択できるもの
 自動車取得税/登録関係諸費用(法定費用)
③経費計上するもの
 自動車税/自動車重量税/自賠責保険料

購入の際にはさまざまな費用が発生するので、見積書、注文書、請求書などはきちんと管理保管しておきましょう。

◎賃貸物件の内部造作費の償却方法

本社以外に新たに支店を開設することになりました。
物件を賃借し、内部の造作工事を行った場合、耐用年数や償却方法は、どのようになるでしょうか。

賃貸物件の造作工事費用については、減価償却資産として償却することになっています。
その場合の耐用年数は、内部造作を一つの資産として考え、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質などを勘案して、合理的に見積もることとされています。
ただし、賃借した建物について、賃借期間の更新ができないといった定めがあり、かつ、その造作のために支出された費用を請求または買取請求できないものについては、その賃借期間を耐用年数とすることができます。

また、他人の建物について行った内部造作についても、自己の建物と同様、建物の減価償却の方法(旧定額法、または定額法)が適用されます。
内部造作を事業のために行った日が平成19年3月31日以前である場合は、旧定額法が適用され、平成19年4月1日以後であれば、定額法が適用されるということですね。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。