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税務処理の基礎知識

収益・売上原価・棚卸資産で困ったとき⑦粗利の計算・配当金の取扱

決算書の損益計算書の中に、売上総利益という項目がありますね。
この売上総利益とはどのようなもので、どのように計算するのかについて、説明しましょう。

◎粗利(売上総利益)の計算方法

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いたもので、一般的には粗利と呼ばれています。

 売上総利益=売上高−売上原価

売上原価は、商品・製品そのものの儲けを意味します。
たとえば9000円の商品を100個仕入れて、1万円で80個売った場合、売上は80万円になりますが、売上原価(9000×80)は72万円となります。
20個は売れ残ったので原価(費用)とはせずに、期末在庫という資産に組み入れます。
したがって、この場合の売上総利益は、8万円になります。

また、企業の売上高に対し、粗利益が占める割合を示す指標を粗利益率、あるいは売上高総利益率と呼ばれています。
価格の設定や商品構造を決める上で、確かな粗利益率を把握しておき、逆算した売上計画を立てることや、粗利益率に狂いが生じないための入念な計数管理が重要ですね。

◎配当金には税金がかかる?かからない?

取引先の株式を保有していたが、配当金を受け取ることになった、という事例です。
この場合、受け取った配当金には税金がかかるのでしょうか。

受取配当は、原則として益金に算入され、課税されることになっています。
配当金は税金を支払った後の利益から支払うものなので、配当金を受け取った会社で、さらにその配当金に税金がかけられると、二重課税になってしまいますね。
そこで、二重課税を避けるため、配当金を受け取った会社では税金がかからないようにしています。
これを受取配当等に利益不算入といいます。

ただし、全ての配当金が益金不算入になるわけではなく、外国法人から受け取る配当、公益法人から受け取る配当、名義書換失念株の配当などは、益金不算入の対象にはならないので覚えておきましょう。

また、子会社や関係会社からの配当金以外の配当金については、その全額が益金不算入になるのではなく、配当金から株式の取得に係る負債利子を差し引いた金額の50%が益金不算入となります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。