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税務処理の基礎知識

収益・売上原価・棚卸資産で困ったとき①売上の計上

会社の利益は、事業年度ごとに総収益から総費用を差し引いて計算するので、売上をどの事業年度に計上するかで、その事業年度の利益が変わってくることになります。

たとえば、事業年度が7月1日から翌6月30日までの会社の場合、ある取引の売上を6月30日で計上するのか、7月1日に計上するのかで、その事業年度の利益が違ってきます。

◎売上の計上は、商品を納品した日?請求書を発行した日?

売買契約を締結した日、物を引き渡した日、代金を回収した日の3つが同じ日であれば、売上を計上する時期は限定されることになるので問題ないのですが、それらの日にはずれがあるのが普通。
つまり、売上をいつ計上するのかがとても重要だということです。

税法上、棚卸資産の販売による売上は、商品などを引き渡したときに計上するのが原則です。
法人税では、これを引渡基準(企業会計では販売基準)といいます。
引き渡しの日も、商品などを倉庫から出荷した日、相手方が商品を引き取った日に分けられます。

◎委託販売の場合の売上の計上

委託販売とは、代理店などに委託して商品の販売を行い、代理店に販売手数料を支払う方法のことで、商品の販売を第三者に依頼する側を委託者、依頼を受ける側を受託者といいます。

委託販売では、受託者に商品を渡しただけでは、まだ売上を計上することはできません。
委託販売をしたときの売上は、原則として、受託者である代理店が商品を販売した時点で計上することになります。
これを「受託者販売日基準」といいます。

さて、ここで問題になるのは、委託者が、遠方にある受託者が委託品を販売したことをすぐに知ることができないということです。
そこで代理店から、その委託品についての売上計算書、または仕切り精算書が売上があったさいに、その都度作成され送付されている場合には、売上計算書が到着した日に売上を計上することが認められています。
これを「仕切精算書到着日基準」といいます。

売上があったときというのは、日ごとだけではなく、週、旬、月を単位としてもかまわないことになっています。
仕切精算書到着日基準を採用し、月ごとに仕切精算書、または売上計算書を送付してもらうようにすれば、売上を1カ月遅く計上することができますから、節税にも繋がります。

※記事に含まれる法令等の情報は、記事作成時点のものとなります。法令等は随時変わる可能性がありますので、本記事を実務に生かされる際には最寄の税務署か税理士へ確認してください。

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