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税務処理の基礎知識

企業価値を向上させる三つの要素とメリットについて

その企業が持つ経済的な価値を指す「企業価値」。これまでは学問の文脈の中でよく使われている単語でしたが、近年は投資や企業買収の場面でよく聞くようになりました。今回は、そんな企業価値を向上させる三つの要素とメリットについて紹介していきます。

◎企業価値を向上させる三つの要素

企業価値とは、その企業全体の経済的価値のことを指します。具体的には、企業の事業活動からもたらされる事業価値に、投資有価証券や遊休資産と言った非事業用資産や、貸借対照表には表されない無形資産(ブランド力や人的資源、知的財産など)の価値を含めたものです。

企業価値はいわば「企業の値段」です。会社の経済的な価値を金額で示し、M&Aや投資においての根拠や基準となります。企業価値の表現方法にはさまざまな考え方があるため、「コスト・アプローチ」「マーケット・アプローチ」「インカム・アプローチ」の三つの算定の方式が存在します。

いずれの算定方式においても、事業価値を高めるためには、以下の三点がポイントになってきます。また、財務状況の見直しも重要になってくるでしょう。

・事業収益性の向上

企業価値を高める方法として最も有効な手段は収益力を向上させることです。

事業の収益性を高めるためのポイントは数多くありますが、まずは 「解像度の高い事業計画を策定できているか」「運転資本が膨らんでいないか」「特定の顧客に対する売上依存度が高くないか」といった基本的な事柄を検証しましょう。

収益力の向上は会社の企業価値を本質的に高める重要な要素です。ビジネスモデルを見直し、より収益性を高める施策を検討しましょう。

・投資効率の向上

遊休設備や活用していない不動産、在庫などを見直し、必要であれば売却して手放すことも検討しましょう。キャッシュフローを生み出さない固定資産を売却することで、浮いた資金を再び投資に利用できるメリットがあります。

事業の経営に貢献しない「ムダな資産」は持たず、必要な資産を有効活用することが投資効率を向上させ、企業価値を高めることに繋がります。

・無形資産の活用

無形資産とはいわゆる「目に見えない資産」のことを指し、知的財産権や会社の持つノウハウ、従業員のスキルなどがこれに当たります。従業員のスキルに関しては業務に関するノウハウが形式知として会社に蓄積されていることが重要です。

◎企業価値を向上させるメリット

企業価値を向上させることで、以下のようなメリットが得られます。

・融資を受けやすくなる

金融機関は、企業の将来性や成長性を評価した上で融資を行います。企業価値は、融資の可否やその金額を決める際の重要な判断材料になります。

・株価が上昇する

企業価値が高いということは、すなわち「収益が安定している」「企業経営が良好な状態にある」「事業運用が的確」ということの証拠でもあります。上場している企業であれば企業価値の向上は株価の上昇に繋がり、株価の上昇が投資家の増加やさらなる株価上昇に繋がるという、よい好循環を生み出せるでしょう。

・M&Aで有利になる

企業価値が高いほど、売却の際に高額を提示でき、また自社に有利な条件で交渉を進められるなど、納得感の高いM&Aを行うことが可能です。


企業価値とは、会社の持つ有形資産や資本の大きさだけを指すものではありません。「のれん代」のように企業の持つ知名度やブランド、取引先との関係といった無形のものも資産と見なされます。自社の持つ価値を見落とさないようにしていきましょう。

さきがけグループでは、税務顧問や財務コンサルティングを通して、企業の経営を包括的にサポートしています。ぜひお気軽にお声がけください。

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