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税務処理の基礎知識

中小企業における同族経営のメリット・デメリットについて

国内には、同族経営が行われている企業(同族企業、あるいはファミリービジネス)が数多く存在します。今回は中小企業における同族経営のメリットとリスクについて解説していきます。


◎同族企業とは

同族企業とは、株主が3人以下の会社か、株主と「特殊な関係」にある個人や法人が議決権の50%を保有している会社のことを指します。

ここでいう「特殊な関係」には、個人の場合は、主に株主の配偶者や親族、あるいは株主らと生計を同一にする者が該当します。つまり、同族経営とは必ずしも親族のみで経営されていることを指すわけではないのです。

一方、法人の場合は、全体の半分を超える株式や議決権を持っている他の会社が該当します。この会社の経営者については、ほかの株主と親戚関係にある必要はありません。


◎同族経営のメリットとリスク

中小企業において、同族経営を行うことにはメリットもありますがリスクも存在します。

それぞれについて代表的なものを挙げていきましょう。

<メリット>

・迅速な意思決定

 同族企業は多くの場合、株主と経営者が一致し、会社の経営権が一部に集中するような形になっているため、経営方針に関する意思決定と行動を迅速に行うことができます。

・中長期的な視点での経営が可能

 株主と経営者が一致しているということは、非同族経営の上場企業などと比べて外部の意見を聞いたり了解を得たりする必要がないということ。そのため短期的な利益確保にとらわれることなく、中長期的な視点での戦略計画を継続しやすいのです。また、問題が起きてしまった際にすぐに解任されるリスクが比較的低いことから、大胆な改革も行いやすいと言えます。

<リスク>
・ガバナンス機能の欠如

 ファミリービジネスではどうしても、一般的な法令や社内ルールへの順守意識が弱まる、トップの誤った判断が是正できない、取締役会の監督機能が不全状態に陥りやすい、といった、コーポレートガバナンスに関する問題が起こりやすいです。同時に、経営を支える一族の人々全員の一体性を高めるためのファミリーガバナンスの整備も、曖昧になっている企業が多いです。

・身内びいきによる社員間格差

 同族経営の企業では、しばしば家族をひいきする偏った人事を行ったり、親族社員の違法な行いに目を瞑ったりといった、身内への甘い処置が行われている場合があります。その結果、親族と非親族との間に不均等な関係が出来上がり、経営者が社員からの信用を失うことにつながる恐れがあります。


◎ファミリービジネス成功の秘訣

ファミリービジネスが成功し、大きく飛躍した世界的な企業はいくつも存在します。

成功した企業から学べる同族経営を成功につなげる重要なポイントとしては、「倫理と信念を大切にした仕組みづくりをすること」と「親族以外の従業員も尊重すること」の2点が挙げられます。この2点は、上で述べたリスクを解消するために非常に大切なことです。同族経営のリスクを自覚し、それを補うための仕組みを意識して作り上げることが、成長の秘訣であると言えるでしょう。


同族経営は「古くさい」「公私混同」などのマイナスイメージを持たれがちですが、迅速な意思決定や中長期的な視点での経営が可能になるという十分なメリットのある経営形態です。同族経営のリスクを抑え対策することで、より安定した経営を行うことができるでしょう。

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